報告
渡航期間: 2005年7月25日〜2005年9月11日    派遣国: マレーシア、トルコ
  出張目的
  マレー世界におけるイブン・アラビー学派に関する聞き取り調査・文献調査、ならびにトルコにおけるスーフィー教団に関する調査、およびオスマン帝国期のスーフィズムに関する文献調査
  東長靖 (大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・東南アジア地域研究専攻)

 

  活動記録
  7月25日(月)
  • 中部国際空港発 − マレーシア、クアラ・ルンプル着
      7月26日(火)
  • イスラーム国際大学(UIA)訪問(Dr. Adi Setia, Dr. Sani Badronとの面談)・同大学図書館にて文献調査
      7月27日(水)
  • イスラーム思想文化研究所訪問(Dr. Uthman el-Muhammady, Dr. Baharudin Ahmad, Dr. Osman Bakarとの面談)・同研究所図書館にて文献調査
      7月28日(木)
  • マレーシア国民大学(UKM)訪問(Mr. Abdullah Sani Usmanとの面談)・同大学図書館にて文献調査
      7月29日(金)
  • マレーシア、クアラ・ルンプル発 − トルコ、イスタンブル着
      7月30日(土)〜9月8日(木)
  • イスラーム研究センター、スレイマニエ図書館、イスタンブル大学図書館、ブルサ・イネベイ図書館にてオスマン帝国期スーフィズム関連文献資料調査。この間、8月16日から18日にかけて、アンカラ大学のメフメト・バイラクダル教授、メフメト・サイト・レチュベル助教授と、研究協力の進展に関する打ち合わせ
      9月9日(金)
  • トルコ、イスタンブル発 − マレーシア、クアラ・ルンプル着
      9月10日(土)
  • クアラ・ルンプル市内で資料収集後、クアラ・ルンプル発
      9月11日(日)
  • 関西空港着、帰学

     

      結果と進捗状況
     
    (1)国際交流
      すでにMOUを締結しているトルコ・アンカラ大学神学部のメフメト・バイラクダル教授、メフメト・サイト・レチュベル助教授と、研究協力の進展に関する打ち合わせを行った。
      また、マレーシアにおけるイスラーム研究者との連携を強めるため、イスラーム国際大学(UIA)のDr. Adi Setia, Dr. Sani Badron、イスラーム思想文化研究所のDr.Uthman el-Muhammady, Dr. Baharudin Ahmad, Dr. Osman Bakar、マレーシア国民大学(UKM)のMr. Abdullah Sani Usmanと意見交換を行った。
    (2)個人研究
      今回の出張においては、マレーシアにおけるイブン・アラビー学派に関する文献調査と、トルコにおけるオスマン帝国期スーフィズムの文献調査を行った。
      マレーシアにおいては、イスラーム国際大学(UIA)、イスラーム思想文化研究所、マレーシア国民大学(UKM)の各図書館において文献調査を実施した。
      トルコにおいては、イスラーム研究センターおよびスレイマニエ図書館、イスタンブル大学図書館、ブルサ・イネベイ図書館においてスーフィズム関係文献調査を行った。

     

      今後の課題
        西アジアにおけるフィールド・ステーション事業は軌道に乗り、アラブ世界・トルコ世界にまたがる人的ネットワークは拡大しつつある。今回は、昨年のタンザニア調査に引き続き、マレーシアにおける現地調査を取り入れたが、アフリカ、南アジア、東南アジアの各フィールド・ステーションとの連携研究がさらに推進されるべきであろう。

     

     
    「クアラ・ルンプル市内のイスラーム専門書店」   「スレイマニエ図書館入り口」  

    この書店では、現代マレー語による書籍だけでなく、数多くのジャウィによる書籍を販売している。ジャウィとは、アラビア文字で書かれたマレー語のことである。マレーシアでは、現在でもジャウィ教育が行われている。私の専門であるスーフィズムについても、ジャウィによって書かれた著作が数多く書かれてきたし、現在でも販売され、読まれている。

     

    オスマン帝国で2番目に設立された図書館で、設立年は写真に見えるように1557年。アラビア語・ペルシア語・オスマントルコ語など、65,000点もの写本を所蔵している。写本はすべて書庫に収められているが、請求すると写本そのものを手にすることができる。近年は、CD-ROMへの複写が国家的事業として進められており、ますます利用しやすくなった。

     
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