:: 平成17年度 フィールド・ステーション年次報告
タンザニア
  (1)概要:
    平成17年度には、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)のCOE研究員1名と大学院生3名が当プログラムの資金によって派遣され、タンザニアFSを拠点として調査・研究に従事しました。また別資金によって渡航したASAFASの教員3名がタンザニアFSの管理・運営にあたりながら、別資金で渡航したASAFASの大学院生・研究生7名を加えた合計10名の学生に対して臨地教育をおこないました。
タンザニアFSは、ASAFASの教員・大学院生以外にも、京都大学大学院農学研究科、同大学院理学研究科、同大学院地球環境学堂、東京工業大学、福井県立大学、東京外国語大学、北海道大学、名古屋大学、近畿大学、玉川大学、などの教員と大学院生によって広く活用され、その利用件数は、昨年度に引き続きのべ300人・日を超えています。
第5回公開セミナーが8月20日に開かれ、ASAFASの池野旬助教授が『北部タンザニア、Mwanga県の「住民参加型」水道施設拡充計画』というタイトルで発表しました。
 
     
    写真1. 国際ワークショップ(平成17年12月13日:タンザニア・ダルエスサラーム) 写真2. ミオンボ林での毎木調査(平成17年5月:タンザニア)  
   
  (2)教員による臨地教育と研究活動:
    池野旬(ASAFAS教員)は、平成17年7月16日〜8月22日、ならびに3月10日〜3月22日の期間、科研費によってタンザニアに出張し、「東アフリカ諸国のコーヒー産地をめぐる地域経済圏に関する実証的研究」のフィールドワークを実施するとともに、キリマンジャロ州で調査しているASAFASの大学院生、溝内克之(平成15年度入学)と松浦志奈乃(平成16年度入学)の臨地教育をおこないました。また、ダルエスサラーム大学との共同研究に向けて、研究の打合せもおこなっています。
掛谷誠(ASAFAS教員)は平成17年4月27日〜5月18日、ならびに7月20日〜8月31日の期間、伊谷樹一(ASAFAS教員)は平成17年4月27日〜5月18日、平成17年7月15日〜9月16日、12月11日〜12月25日の期間、荒木美奈子(COE研究員)は平成17年4月25日〜6月12日ならびに7月18日〜12月18日の期間、それぞれ科研費によってタンザニアに出張し、「地域研究を基盤としたアフリカ型農村開発に関する総合的研究」についての調査を実施するなかで黒崎龍悟(平成12年度入学)、加藤太(平成14年度入学)、八塚春名(平成15年度入学)、下村理恵(平成17年度入学)の臨地教育をおこないました。また、ソコイネ農業大学・地域開発センターにおいて、今後の共同研究のあり方について協議しました。
 
   
  (3)大学院生の研究活動:氏名(入学年度)・渡航期間・調査経費・派遣国・研究テーマ:
   

神田靖徳(平成16年度入学)・平成17年4月1日〜7月27日・科研・タンザニア・「アカシア林における天水田牛耕稲作地帯における土地利用」
黒崎龍悟(平成12年度入学)・平成17年4月25日〜6月27日・科研・タンザニア・「南部タンザニアにおける地域開発の展開と住民の対応」
下村理恵(平成17年度入学)・平成17年7月15日〜平成18年3月31日・・私費・タンザニア・「ルクワ地溝帯における水田稲作の普及」
榊原寛(平成17年度入学)・平成17年7月30日〜10月28日・私費・ケニア、タンザニア、モザンビーク・「ザンジバルにおけるグローバル化と民族意識の変容」
井上真悠子(平成17年度入学)・平成17年8月1日〜10月31日・私費・ケニア、タンザニア・「東アフリカの大都市における観光開発の人類学的研究−土産品絵画産業の事例」
松浦志奈乃(平成16年度入学)・平成17年8月5日〜平成18年2月3日・私費・タンザニア・「パレにおける農村社会経済の変容」
加藤太(平成14年度入学)・平成17年8月17日〜平成18年1月15日・私費・タンザニア・「タンザニア・キロンベロ氾濫原における天水田稲作の生態と経営」
小川さやか(平成12年度入学)・平成17年9月14日〜10月14日・科研・タンザニア・「タンザニアにおける経済自由化以降の都市零細商業部門の変容に関する研究」
原子壮太(平成17年度入学)・平成17年11月28日〜平成18年3月31日・私費・タンザニア・「タンザニアにおける数概念の民族数学的研究」
溝内克之(平成15年度入学)・平成17年12月8日〜平成18年3月31日・当プログラム・タンザニア・「タンザニア・キリマンジャロ山地域における人の移動:社会経済的背景と近年の都市=村落関係」
黒崎龍悟(平成12年度入学)・平成17年12月12日〜平成18年3月31日・私費・タンザニア・「南部タンザニアにおける地域開発の展開と住民の対応」
加藤太(平成14年度入学)・平成18年1月16日〜平成18年3月31日・当プログラム・タンザニア・「タンザニア・キロンベロ氾濫原における天水田稲作の生態と経営」
八塚春名(平成15年度入学)・平成18年1月23日〜3月31日・当プログラム・タンザニア・「サンダウェの環境利用に関する研究」
井上真悠子(平成17年度入学)・平成18年2月3日〜3月31日・私費・タンザニア・「ザンジバル・ストーンタウンにおける観光開発の人類学的研究−土産品絵画産業の事例」

 
   
  (4)フィールド・ステーションの整備と運用:
   

タンザニアFSでは、平成17年度に当プログラムによってCOE研究員を雇用して、FSの管理・運営、教育研究を充実させることができました。また、タンザニアFSのホームページを立ち上げました。

 
   
  (5)研究協力体制の維持・推進:
    タンザニアFSの教育研究活動は、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科とのあいだに研究交流協定を締結しているソコイネ農業大学との協力関係のもとに実施しています。21世紀COEプログラム、科研費「地域研究を基盤としたアフリカ型農村開発に関する総合的研究」(研究代表者:掛谷誠)、ソコイネ農業大学地域開発センターが緊密な連携をとりながら共同研究を実施しています。  
   
  (6)教員と大学院生の研究業績:
    論文など
  • Ogawa, Sayaka “The Trade of Second-hand Clothes in The Local-Mega City Mwanza Tanzania: With Special Reference to the Social Networks of Mali Kauli Transaction” African Study Monographs (印刷中).
  • Ogawa, Sayaka “Earning among the Friends; The Historical Change of Business Practices and Creed to Urban Life of Petty Traders, Machinga, in Tanzania” African Studies Quarterly (投稿中).
  • 小川さやか、2005、「書評『アフリカ都市の民族誌:カメルーンの「商人」バミレケのカネと故郷』」『アジア・アフリカ地域研究』第 5−1:94-98.。
  • 大山修一・近藤史、2005年、サヘルの乾燥地農耕における家庭ゴミの投入とシロアリの分解活動、『地球環境』Vol.10 No.1:p49-57。
学位論文
  • Dastun Gabriel Msuya, 2006. Farming Systems and Indigenous Technologies of Finger Millet (Eleusine coracana) Production in Southwestern Tanzania(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科、博士学位論文、2006年3月).
学会などでの口頭発表
  • 大山修一・近藤史・山本紀夫、2005、「アンデスにおけるラクダ科動物ビクーニャと野生型ジャガイモの生態−ドメスティケーション研究にむけて」、第15回日本熱帯生態学会年次大会(於・京都大学)。
  • 小川さやか、2005,「タンザニア都市零細商人の商慣行の歴史的変遷‐都市経済活動における社会的連帯の形成と発展−」、アフリカ学会第42回学術大会 東京外国語大学。
  • KONDO Fumi, 2005, "Indigenous Valley Bottom Cultivation and its Innovation among the Bena in Tanzania" (Poster), The 7th Kyoto University International Smposium (in Bangkok, Thailand).
  • YATSUKA Haruna, 2005 “The utilization of the vegetation by the Sandawe people in thesemi-arid area in Tanzania” (Poster), The 7th Kyoto University International Smposium (in Bangkok, Thailand).

ワークショップの企画・主催など

  • 12月13日には“Concepts and Perceptions on African Way of Rural Development based on Area Studies”と題した国際ワークショップを開催し、タンザニアCOE研究員、ケニアCOE研究員、ASAFAS院生、ソコイネ農業大学教員、研究員がそれぞれの研究成果を発表しました。COE研究員、ASAFAS教員と院生、ソコイネ農業大学教員、国立環境管理局研究員、ムズンベ大学教員、JICA専門家、在タンザニア邦人など、多数の参加があり、活発な議論が交わされました。詳細は、タンザニアCOE研究員の報告を参照してください。また、発表内容につきましては、近日中に、African Study Monographsの特別号に掲載する予定です。

 

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