:: 平成17年度 フィールド・ステーション年次報告

西アジア

  (1)概要:
    今年度は、西アジア・フィールド・ステーション活動をトルコを中心に展開しました。イスラーム法の実践と宗教復興の実態を、西アジア諸国の政治・ 経済・社会との関係の中に有機的に位置づけて調査・研究し、イスラーム学をディシプリンの一つとして加えた総合的地域研究の新しい方法と事例の開拓を行うことを目標としました。  
   
  (2)院生派遣:
   

今年度は、飛奈裕美(平成15年度入学)を、2005年9月25日〜2005年11月13日の日程で、イスラエルに派遣しました。研究テーマは、「「子ども」のポリティクスをめぐる国際関係学:抵抗運動、ナショナリズム、トランスナショナル・ネットワークの関係性」でした。

 
   
  (3)教員派遣:
    東長靖(ASAFAS教員)は7月から8月にかけて、マレーシアおよびトルコに出張し、マレーシアにおける主要研究機関を訪問して、現地のイスラーム研究者と意見を交換するとともに、トルコにおいても、アンカラ大学・マルマラ大学のスタッフと議論を行いました。
 
   
  (4)今後の計画:
    トルコにおけるフィールド・ステーション活動をさらに充実させるとともに、これまでのノウハウを元に、西アジア全体を俯瞰する活動を行えるよう、充実を図ります。
 
   
  (5)国際交流:
    以前から準備を進めていたトルコ、アンカラ大学との国際交流協定(MOU)を、6月に締結しました。マルマラ大学とも緊密な連絡を取り合い、協力関係の強化につとめています。エジプトのカイロ大学との研究・協力関係はますます強固なものとなってきており、カイロ・アメリカ大学との人的ネットワークも緊密な状態で進展しています。   
   
  (6)業績:
   

論文など

  • TONAGA Yasushi. 2006. ”Sufism in the Past and Present: Based on the Three-axis Framework of Sufism.” Annals of the Japan Association for Middle East Studies, vol. 21/2, 2006, .
  • 東長靖、2005「神秘主義文献の継承と教団の系譜」『創文』創文社,2005年10月号,11-14頁。
  • KOSUGI Y. 2005. Turath al-fikr al-siyasi al-Islami(アラビア語『イスラーム政治思想の遺産』)(Kyoto: 21st Century COE of Integrated Area Studies, Kyoto University, 2005, co-editor).
  • 小杉泰、2006 「イスラームと公共性」(澤江史子と共著)稲垣久和、金泰昌(編)『宗教から考える公共性』(公共哲学16)財団法人東京大学出版会、209ー228 頁。
  • 小杉泰、2006『現代イスラーム世界論』(単著)名古屋大学出版会。
  • 小杉泰、2005「現代中東政治の眺望 ― 二〇世紀の遺産と二一世紀のパラダイム」『中東研究 2005/2006Vol.T』財団法人中東調査会。
  • 小杉泰、2005「民主化と安定に向けて−イラク戦争後の湾岸−」『湾岸アラブと民主主義−イラク戦争後の眺望−』日本国際問題研究所(編)・本評論社、1-17頁。
  • 大庭竜太、(印刷中)「サイド・ヌルスィーにおけるクルド性とイスラーム」『イスラム世界』第66号。
  • TOBINA H. 2005. 'Social Transformation and the Politics of the Child in Palestine during the Intifada Period.’ In Hiramatsu Kozo (ed.) Coexistence with Nature in a ‘Globalizing’ World: Field Science Perspectives. (Proceedings of the 7th Kyoto University International Symposium, 2005) Kyoto University, 2005.

口頭発表

  • TONAGA Yasushi. “Sufism in Time and Beyond” Twenty-second annual symposium of The Muhyiddin ibn ‘Arabi Society "Time and Non-time" (2005年5月14-15日,於: Worcester College, Oxford, U.K.). (フルペーパー,pp. 1-19.)
  • 東長靖、2005「オスマン帝国期のスーフィズム−ボスネヴィーを中心として」(学会発表)日本オリエント学会第47回大会、(2005年10月30日) 。
  • 東長靖、2005「イスラームのこと、知ってますか?」(学術講演)2005年河合塾文化講演会,河合塾京都校、(2005年6月20日)。
  • 小杉泰、2005「文明の相互認知と政治・経済関係:21世紀の日本と中東」第9回公開講演会「中東と日本の間」、(日本中東学会)。
  • 小杉泰、2005「民主化と安定に向けて−イラク戦争後の湾岸−」出版記念講演会『湾岸アラブと民主主義−イラク戦争後の眺望−』、日本国際問題研究所。
  • 小杉泰、2006「イスラーム民主主義の現在:理念と実践および21世紀的課題群」部門研究会1・2合同研究会『一神教世界にとっての民主主義の意味』、同志社大学一神教学際研究センター。
  • 新井一寛、2005「タリーカ教団組織の形態論的考察」スーフィズム・聖者信仰・タリーカをめぐる研究会、2005年。 
  • 新井一寛、2005「タリーカ(スーフィー教団)のマウリドにおける「祝祭」・「非祝祭」複合―現代エジプトにおけるジャーズーリーヤ・シャーズィリーヤ教団の事例を通じて―」(学会発表)「宗教と社会」学会第十三回学術大会 2005年。
  • 飛奈裕美、2005「インティファーダ期パレスチナの社会変容と『子ども』のポリティクス」日本中東学会第21回年次大会(口頭発表)、於国立民族学博物館、2005年5月。
  • TOBINA H. 2005. ‘Social Transformation and the Politics of the Child in Palestine during the Intifada Period.’ The 7th Kyoto University International Symposium, 2005 -Coexistence with Nature in a ‘Globalizing’ World: Field Science Perspectives( ポスター発表)、於バンコク(タイ)、2005年11月.

 
   

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