21世紀COEプログラム研究会
アフリカ地域研究会

日時: 2005年6月10日(金) 15:00〜17:00

場所: 京都大学理学部2号館 第1講義室(1階120号室)
(京都市左京区北白川追分町)
御注意!場所が通常の研究会とは異なります

演題: 人類の進化:南アフリカ・ヨハネスバーグ近郊の「人類のゆりかご」
世界遺産における人類化石の発見の重要性について

講 師: フィリップ・V・トバイアス博士(ウィットウォータースランド大学解剖科学学部・名誉教授)     

要 旨: 
   1925年以前は、それまでにインドネシアや中国から出土していた発見から、 人類発祥の地についての世界の関心はアジアに注がれていた。その年、ウィットウォ ータースランド大学のレイモンド・ダートが南アフリカから出土した「タウング頭骨」 を世界に示した。彼は、この子どもの頭骨が類人猿と人類の双方の特徴をうかがわせ ると主張した。それに説得された人はほとんどいなかった。1936年以降、同種の大人 の標本がヨハネスバーグ近郊のステルクフォンテインから出土しはじめると、流れが 変わりはじめた。20世紀半ばまでには、6つのアフリカの遺跡から出土したこれらの 猿人の化石が人類のアフリカ起源説の証しであることがはっきりした。1966年から2005 年にかけての私たちのステルクフォンテインにおける発掘は、350万年から150万年前 の人類標本を600以上ももたらした。ステルクフォンテインが初期人類の遺物に関して 世界でもっとも豊かな遺跡であること、およびその近郊にも他の化石産出遺跡が並は ずれて集中していることから、私たちはステルクフォンテインとその周辺の洞窟群を 世界遺産として登録すべきだと提案するに至った。この提案は、1999年12月にユネス コの世界遺産センターによって認められた。この遺跡があるハウテン州は、「人類の ゆりかご」というブランド名のもとにこの地域を急速に開発してきた。2005年から2006 年にかけては、これらの刺激的な開発は一般や学生にすばらしい教育・観光体験とし て公開される。一方で、有名なステルクフォンテインとその周辺の洞窟群での調査は 現在も続いている。

この研究会は、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科と京都大学東南アジア研究所が、2002年度から共同で遂行している21世紀COEプログラム「世界を先導する総合的地域研究拠点の形成」の研究活動の一環です。

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連絡先: 京都大学アフリカ地域研究資料センター、宮本可奈子
TEL: 075-753-7821 FAX:075-753-7810

E-mail: kanako@jambo.africa.kyoto-u.ac.jp