━━━━━━━━━━━━━━━━━━ February 2005  第19号 ━━━
   アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
    Integrated Area Studies INFOrmation Magazine(IAS-INFOM)
    http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/index_j.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【発行部数741】━━━━

■フランソワさんのこと            
           ........................河野 泰之

フランソワさんはフランスの援助機関に所属する研究者です。
もともとは灌漑工学を専攻していましたが、私と同様、フィ
ールドで仕事を続ける中で水利のもつ社会的、経済的側面の
重要性に目覚めたそうです。

彼と最初に出会ったのは、タイのバンコクでした。彼が長期
の仕事でタイに赴任したとき、私もちょうど同じくバンコク
に住んでいました。どこで聞きつけたのか彼はすぐに私を訪
ねて来てくれました。

あとになってわかったことですが、彼は東南アジア研究所の
先輩達によるチャオプラヤ・デルタの研究を通じて、私たち
のことを知っていたそうです。そして、その研究内容にとて
も強い関心をもっていました。それは私にとってもバイブル
といえる研究のひとつでした。そんなわけで私たち二人はす
っかり意気投合し、それ以来研究の交流を続けています。

それから5年間、彼はカセサート大学にオフィスを構え、チ
ュラロンコン大学や灌漑局を巻き込みながらチャオプラヤ・
デルタの研究に精力的に専念し、水利や土地制度に関する優
れた研究を次々と展開していきました。また、彼はその過程
で何人ものタイやフランスの学生を指導してきました。彼ら
はバンコクと南仏のモンペリエを行き来しながら優れた修士
論文や博士論文を次々と仕上げてきました。彼の研究指導は
モンペリエでの専門分野教育とバンコクでの実地教育を組み
合わせ、積み重ねていくというスタイルでした。

21COEプログラムを通じて私たちがアジア・アフリカの
各地でおこなってきたフィールドワークとその成果は、今や
日本では質量ともに他を大きくしのぐものに成長してきたと
自負してよいでしょう。しかし世界を見渡せば、フランソワ
さんのようなひとたちが他にもたくさんいるのかもしれませ
ん。井の中の蛙にならないよう、さらに世界に視野をひろげ
ていくことが大切でしょう。

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■教員の出張報告
  ....................現在進行中の教育研究活動についてお伝えします

 ●タンザニア、トルコ:
  「タンザニアおよびトルコにおけるスーフィズム・タリーカの現地調査」
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/fsta/16k_tonaga/tonaga.html

 ●ケニア:
  「ケニアにおけるオンサイト・エデュケーション、および牧畜社会
   の変容に関する調査」
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/fsta/16k_ohta/ohta.html
__________________________________

■執行会議だより
   .........プログラム全体の動きと進捗状況についてお知らせします

 ●2005年1月の執行会議だより
  フィールド・ステーションの活動報告、来年度国際シンポジウム、
  新執行体制、ホームページへの動画の掲載、地域間比較の観点の
  導入、など。
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/shikou/200501.html
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■フィールドからのたより..............院生による現地レポート、エッセイ
 
 ●ケニア:
  「トマトの違い 
   ―ケニアのマチャコス公設マーケットで野菜小売商から学んだこと―」
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/f_essays/v7_sakai/sakai.html
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■フィールド・ステーション部門の活動
  「ラオスにおける在地の知識と農林水産業を基幹とする持続的開発
   におけるその役割に関するワークショップ」
  日 時:2005年2月9日(水)/10日(木)
  場 所:Convention Hall, Section of Agriculture,
      Department of Agriculture and Forestry,
      Savannakhet Province, Lao PDR
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/english/efsws/2005_laos/e20050209.html
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■研究会..........................4つの問題群に分類しています
 ○は開催予定 ●は開催済み

 ●【政治経済問題群】研究会
  "A Cross-Regional Comparison between Chinese Minority in
   Indonesia and Chinese Minority in Japan : Host Countries
   Policy toward the Chinese, with a case study at Kobe"
  演 者: Dr. Thung Ju-Lan from LIPI, currently JSPS Fellow
  日 時:2005年2月8日(火)15時00分〜
  場 所:京都大学東南アジア研究所 東棟107教室
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/english/activities/kenkyukai/asia/e20050208/e20050208.html

 ●【社会文化問題群】研究会
   バンギ・フィールド・ステーション研究会:連続ワークショップ
  「それぞれのフィールドワーク: マレーシア研究の可能性を再考する」
  日 時:2005年2月14日(月)/3月7日(月)
      16時00分〜18時00分
  場 所:Sudut Wacana, Institute of the Malay World and
      Civilization(ATMA),Universiti Kebangsaan Malaysia(UKM)
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/fsws/2005_malaysia/20050120.html

 ●【政治経済問題群】研究会
  "Democracy and Populism in Thailand in Global Perspective"
  演 者:Dr. Pasuk Phongpaichit (CSEAS Visiting Research Fellow)
  日 時:2005年2月18日(金)16時00分〜18時00分
  場 所:京都大学東南アジア研究所 共同棟307教室
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/english/activities/kenkyukai/asia/e20050218/e20050218.html

 ●【地域研究論問題群】研究会
  "The Economics of Biodiversity Conserveation: A Study of a Coffee
   Growing Region in the Western Ghats of India"
  演 者:Dr. K.N.Ninan (Associate Professor, Ecological Economics Unit,
      Institute for Social and Economic Change, Bangalore, India)
  日 時:2005年2月18日(金)15時30分〜17時30分
  場 所:京都大学東南アジア研究所 共同棟409教室
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/english/activities/kenkyukai/asia/e20050218_2/e20050218_2.html

 ●【政治経済問題群】研究会
  「東南アジア研究所 バンコク事務所における研究会」
  日 時:2005年2月24日(木)16時00分〜
  場 所:京都大学東南アジア研究所 バンコク事務所
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/kenkyukai/asia/20050224/20050224.html

 ○【社会文化問題群】研究会
  「ネパールにおける社会運動への視角−債務農業労働者解放運動の事例から」
  演 者: 藤倉達郎(Centre for Social Research and Development[SCRD])
  日 時:2005年3月3日(木)15時30分〜17時00分
  場 所:京都大学工学部4号館 4階 アジア・アフリカ地域研究研究科 第1講
義室
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/kenkyukai/asia/20050303/20050303.html

 ○【地域研究論問題群】研究会
   「地域研究におけるGIS/RSの可能性」
  日 時:2005年3月24日(木)
      13時10分〜17時50分
  場 所:京都大学学術情報メディアセンター南館2階(日本側)
http://www.media.kyoto-u.ac.jp/access/accesspage.php
      アジア工科大学インターネット教育研究ラボラトリ(タイ国側)
      (旧Child Center No.32 on http://www.ait.ac.th/AIT/aitcam.html)
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/kenkyukai/asia/20050324/20050324.html
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◆編集子より:数日短いだけなのに2月はほんとうにあっという間
に過ぎてしまいました。月末ぎりぎりの2月号をお届けします。次
号は3月20日頃にお届けする予定です(MS)。
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◆アジア・アフリカ地域研究情報マガジンは、京都大学大学院アジア・
アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)と東南アジア研究所(CSEAS)が共同
して推進する21世紀COEプログラム「世界を先導する総合的地域研究
拠点の形成」の活動内容を中心に、アジア・アフリカの地域研究情報
を電子メールで配信しています。

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発行: 21st Century COE Program
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