■■■■■■■■■■■■■■■■■ December 2005  第29号 ■■■
  アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
  Integrated Area Studies INFOrmation Magazine(IAS-INFOM)
  http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/index_j.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■【発行部数816】■■
___________今月号の目次______________
□「次世代のための荒廃熱帯林の修復」.................巻頭言
□フィールド・ステーション(FS)部門の活動
□□「新たな展望を求めて―ザンビアFSの試み―」.....FS便り
□□現地からの報告:臨地研究・教育
□□□大学院生のフィールドワーク報告.....タイ、シンガポール
□□□若手研究者の活動報告...........................ラオス
□□□教員の出張報告.................ザンビア、ジンバブウェ
□□□フィールドからのたより.........タンザニア、エチオピア
□□国際ワークショップ...........................タンザニア
□21世紀COEプログラム出版物
□執行会議だより(11月号/12月号)
□研究会の記録(一部案内)
□編集子より
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■「次世代のための荒廃熱帯林の修復」
           ......................小林 繁男

私の調査地の一つであるペルーアマゾン上流、プカルパのカ
ンポベルデ村での話である。4年程前から荒廃熱帯林の修復
に関する研究をおこなってきた。放棄された牧草地をこの地
域固有の森林に再生しようという試みである。

カンポベルデ村は、最寄りの町からも遠く、村人たちには昼
食をお願いしたり、休憩をとらせてもらったりと随分お世話
になった。

ともあれ、村の放棄された牧草地は4種の草本がそれぞれ優
占する植生に大別された。各草本の光合成生産物の分配様式
の違いをもとに、それぞれの植生にどのように森林を再生さ
せればよいかを考えるだけでなく、地域住民が必要とするど
のような森林を再生させればよいかを考慮した。

カンポベルデ村の最も重要な収入源はコカインの原料として
悪名の高いコカである。私たちはコカ栽培に代わるものとし
て樹木の利用を考えた。再生させる森林として、炭にできる
早生樹と木材として利用する晩生樹の混交林を提案した。

3年後、試験林をすすんで造った一軒の民家を訪ねた。その
家の主人は私たちの提案で植えた樹木を指して「子供たちが
収穫できれば」と言ってくれた。私たちがタイのトンパープ
ン、マレーシアのパソ、ギニアのダニエなど世界の各地です
すめている森林再生研究の成果も未来を担う次世代の子ども
たちにとって意味ある資源となることを願っている。

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メールマガジンのバックナンバーは下記からご覧いただけます。
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/mailmag/index.html

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■21世紀COEフィールド・ステーション部門の活動
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■■フィールド・ステーション(FS)便り

「新たな展望を求めて
    ―ザンビア・フィールド・ステーションの試み―」 
             ....................村尾 るみこ

ザンビア・フィールド・ステーションは私たちの21世紀COE
プログラムのなかで、南部アフリカ諸国(ザンビア、マラウィ、
ジンバブエ、ボツワナ、ナミビアなど)における地域研究・教育
活動の拠点となっています。

このステーションができたことをきっかけに、国内では研究会を
頻繁に開催して、この地域で調査研究をすすめる院生や教員が活
発に意見交換をしてきました。

この研究会の活動をうけて、ザンビアFSでは、来年の2月に公開
ワークショップ「『土地』から展望する南部アフリカ―自然を生
き抜く、変化と向き合う―」の開催を予定しています(2006
年2月18日:於東京外国語大学本郷サテライト)。

このワークショップでは、「土地」をキーワードに、南部アフリ
カ地域における「農業」「水辺」「社会変動」を切り口にした3
つのセッションにおいて、8人の若手研究者がそれぞれの視点か
らアプローチします。また、共催の「南部アフリカ研究会」のメ
ンバーからも発表者やコメンテーターをお願いし、全国に散らば
る南部アフリカ研究者が一堂に会しての討論が実現することとな
りました。

私たちは、この貴重な機会をとおしてより広い枠組みのなかで自
らの研究を捉えなおし、新たな展望を見出すことを目指していま
す。

【編集部より】公開ワークショップの詳細についてはメールマガ
ジン1月号にて再度お伝えする予定です。お問い合わせは
murao@jambo.africa.kyoto-u.ac.jpまで。
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 ザンビアFS概要ページ:
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/fsta.html#4

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■■現地からの報告:臨地研究・臨地教育
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■■■大学院生のフィールドワーク報告
   ................派遣された院生による現地調査の報告です

 ●タイ:
  「タイ東北部・ヤソートン県に残る森林パッチの住民利用と
   森林の生態学的特徴」
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/fsta/17_onodera/17_onodera.html

 ●シンガポール:
  「シンガポール華人児童にみる言語環境の動態
   ―変容する言語政策下の学校と家庭を中心に」
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/fsta/16_takahashi/16_takahashi.html

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■■■若手研究者の活動報告
     ....................フィールド・ステーションに派遣中

 ●ラオス:
  「ラオス・フィールド・ステーション(LFS)活動報告 No.4
   ―『日本人研究者によるラオス研究成果発表会』の開催―」
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/fsta/masuhara_04/masuhara4.html

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■■■教員の出張報告
  ..............現在進行中の教育研究活動についてお伝えします

 ●ザンビア、ジンバブウェ:「現地ステーション機能の整備と、
  ザンビア北部州・ジンバブウェ・マシンゴ州における臨地研究」
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/fsta/16k_araki/araki.html

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■■■フィールドからのたより......院生による現地レポート、エッセイ

 ●タンザニア:「タンザニアの『ブッダ』あるいは『日本の神様』」
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/f_essays/v9_kawanishi/kawanishi.html

 ●「エチオピアフィールドだより」....エチオピアFSの活動と最新の情報
http://www.mag2.com/m/0000174460.html メルマガ発行中


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■■国際ワークショップ
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 ●21世紀COEプログラム・東アフリカ・国際ワークショップ
  「地域研究と地域開発の紐帯:東アフリカの地域間比較を通して」
  日 時:2005年12月12日(月)・13日(火)
  場 所:タンザニア・ダルエスサラーム
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/english/efsws/2005_tanzania/e20051212.html


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■21世紀COEプログラムの成果として刊行された出版物
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    ●"Adornments of Samburu in Northern Kenya: A Comprehensive List"
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/areainfo/adornments.html

    ●アラビア語定期刊行物データベース第3巻
   『シリア定期刊行物カタログ』
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/areainfo/arabia.html

>>これまでに刊行された出版物の一覧が下記からご覧いただけます。
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/publish/publish.html


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■執行会議だより
  ......プログラム全体の動きと進捗状況についてお知らせします
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 ●2005年11月の執行会議だより
  「事務局の新スタッフ紹介、予算の執行状況、京都ワークショップ
   の出版、バンコク・シンポジウム、最終年度のシンポジウムと
   サテライト・セッション(仮称)の募集、HPの更新状況、成果
   出版と東アフリカ国際シンポジウム、ポスト21世紀COEプロ
   グラム」      
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/shikou/200511.html

 ●2005年12月の執行会議だより
   「バンコク・シンポ報告、スタディ・ツアー報告、最終年度シンポ
   準備進捗状況、他サイトでの本プログラム紹介、来年度の予算編
   成と重要課題」
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/shikou/200512.html


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■研究会の記録..............4つの問題群に分類しています
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 ○は開催予定 ●は開催済み

 ●【社会文化問題群】研究会
  「サハラ以南アフリカのスーフィズム・聖者信仰・タリーカ」
  日 時:2005年12月3日(土)13時00分〜17時00分
  場 所:京都大学東南アジア研究所、
      大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 共同棟3階教室
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/kenkyukai/asia/20051203/20051203.html

 ●【社会文化問題群】研究会
  「西欧化とアジアのアイデンティティ」
  演 者:イルファン・ハビーブ教授(アリーガル大学)
  日 時:2005年12月12日(月)16時00分〜18時00分
  場 所:京都大学吉田構内工学部4号館4階(北側)
      京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科
      第1講義室(AA401号室)
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/kenkyukai/asia/20051212/20051212.html

 ●【地域研究論問題群】研究会
   "Problematizing Asia: reflections on the re-emergence of the discourse
      of Asia"
  演 者:Professor Wang Hui (Tsinghua University, China)
  日 時:2005年12月14日(水)16時00分〜18時00分
  場 所:京都大学東南アジア研究所 東南亭(北棟2階 )
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/english/activities/kenkyukai/asia/e20051214/e20051214.html

 ●【政治経済問題群】研究会
  「ネパールの現在―武力紛争と民主化のゆくえ―」
  演 者:ウシャ・ティティクシュ(報道写真家)
  日 時:2005年12月14日(水)16時30分〜
  場 所:京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
      共同棟3階演習室
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/kenkyukai/asia/20051214/20051214.html

 ●【社会文化問題群】研究会
  「理想と現実のはざまのチュニジア女性」
  演 者:オムリ・ブージッド(関西学院大学総合政策研究科研究員)
  日 時:2005年12月15日(木)15時00分〜17時00分
  場 所:京都大学東南アジア研究所 東棟階会議室(E207)
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/kenkyukai/africa/20051215_135.html

 ●【社会文化問題群】研究会
  「人とモノをめぐって」
  日 時:2005年12月16日(金)15時00分〜18時00分
  場 所:京都大学工学部4号館4階北側 第1講義室(AA401号)
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/kenkyukai/asia/20051216/20051216.html

 ●【地域研究論問題群】研究会
   「比較の中の東南アジア研究」第5回
  日 時:2005年12月17日(土)15時00分〜18時00分
  場 所:京都大学東南アジア研究所 東棟2階会議室(E207)
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/kenkyukai/asia/20051217/20051217.html

 ●【政治経済問題群】研究会
   「中国農村金融の再建を求めて−農村金融の現状と改革の視点−」
  演 者:陳剣波(中国国務院発展研究センター・研究員、
      現・アジア開発銀行研究所・客員研究員)
  日 時:2005年12月19日(月)16時00分〜18時00分
  場 所:京都大学東南アジア研究所E207(東棟2F会議室)
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/kenkyukai/asia/20051219/20051219.html

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◆編集子より◆おかげさまでIAS-INFOMメールマガジンも創刊いらい2年
半を経て29号まで発行することができました。読者の皆様にこの場を借
りてあらためて御礼申し上げます。ありがとうございました◇みなさま、
どうぞよいお年をお迎えください。(MS)

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◆このメールマガジンへの感想やご質問をお気軽にお寄せください。
 宛先:areainfom@areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp
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◆アジア・アフリカ地域研究情報マガジンは、京都大学大学院アジア・
アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)と東南アジア研究所(CSEAS)が共同
して推進する21世紀COEプログラム「世界を先導する総合的地域研究
拠点の形成」の活動内容を中心に、アジア・アフリカの地域研究情報
を電子メールで配信しています。

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発行: 21st Century COE Program
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