■■■■■■■■■■■■■■■■■ March 2006 第32号 ■■■■■
  アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
  Integrated Area Studies INFOrmation Magazine(IAS-INFOM)
  http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/index_j.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■【発行部数814】■■
___________今月号の目次______________
□「ヨネケンの扉」.....................................巻頭言
□「美・カネ・家族の名誉の微妙な関係」.........メルマガ写真館
□フィールド・ステーション(FS)部門の活動
□□国際シンポジウム...............................マレーシア
□□現地からの報告:臨地研究・教育
□□□教員の派遣報告...ラオス、ナミビア、エチオピア、ウガンダ
□□□若手研究者の報告.........................ケニア、ラオス
□出版物
□メディアライブラリ.........................フォトギャラリー
□執行会議だより(2月号)
□研究会の記録(一部案内)
□編集子より
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■「ヨネケンの扉」
           ........................ 重田眞義

1976年春、19才の彼は薄暗い教養部の2階にある研究室
の扉をノックした。どのように話したのかはよく覚えていない。
ただ、ジンルイガクが勉強したい、アフリカへ行きたいと一方
的に声に出した。その研究室の主は、ふんふんと何度も短くあ
いづちをうって、話をききながら煙草に火をつけたかと思うと、
2−3服吸っただけですぐ灰皿の中でもみ消してしまった。

たぶん先生はよほど忙しいにちがいないと感じた彼はあわてて
暇を告げ立ち上がった。扉のところまですすんだ彼を呼び止め
た先生は優しい声で、しかも丁寧な言葉遣いで、毎週水曜日の
夜にある近衛ロンド(京都人類学研究会)に来ればよいこと、
専門分野の勉強をきちんとするようにという意味のことをおっ
しゃった。

京都大学にあった通称ヨネケンこと米山研究室はその後18年
余りを経て、教養部の改組と、文化人類学講座の誕生と、先生
の退官を境になくなってしまった。それまでの間、彼は学部生
の頃から入り浸るようになったヨネケンの部屋で、春になると
先生と新入学生の間で似たような会話が交わされるのを幾度と
なくきいた。先生は常に紳士的で押しつけがましくなく、対等
の言葉遣いで、少し早口の関東イントネーションに時おり関西
弁を交ぜながら話をされた。学生がもちこんだ荒唐無稽とも思
える話にも、まず面白いところを探して褒め、かつ辛口のこと
もはっきりとおっしゃった。

ヨネケンは米山先生が不在のときでもゼミ室でもないのに学生
が出入りしてみんなで話をしていたりする一風変わった空間
だった。その場にいるだけで何かが学べる場所だった。

あのころヨネケンの扉をたたいたことのある多くの友人たちと
ともに、米山俊直先生のご冥福をお祈りします。
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本プログラムのホームページは下記からご覧いただけます。
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/index_j.html

メールマガジンのバックナンバー
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/mailmag/index.html

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■メルマガ写真館--フィールドでの写真からはじまるコラム
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「美・カネ・家族の名誉の微妙な関係」 
           ....................細田尚美

フィリピンでは美人コンテストが大人気。地元のフィエス
タなどで開かれる小さなコンテストから、各年のミス・
フィリピンを決める全国大会まで、どんなものでも人々の
話題をさらっています・・・
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/mailmag/phots/2006_03.html
(写真とエッセイの続きは上記HPでご覧いただけます)

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■フィールド・ステーション(FS)部門の活動
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■■国際シンポジウム
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 ●“Indigenous Communities: Voices towards Sustainability”
  日 時:2006年3月13日(月)
  場 所:Institute for Environment and Development (LESTARI),    
      Universiti Kebangsaan Malaysia (UKM) 
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/english/efsws/2006_malaysia/e20060313.html
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■■現地からの報告:臨地研究・臨地教育
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■■■教員の派遣報告
 ●ラオス:「ラオス・フィールド・ステーションによる国際
  ワークショップ『ラオスにおける在地の知識と農林水産業
  を基幹とする持続的開発におけるその役割』(サワナケー
  ト・ワークショップ)およびスタディ・ツアー参加と生態
  資源利用の調査」
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/fsta/16k_iwata/iwata.html

 ●ナミビア:「ナミビアにおける臨地調査、およびフランス・
  タイでの資料・情報収集」
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/fsta/16k_mizuno/mizuno.html

 ●エチオピア:「エチオピア・フィールド・ステーションの
  整備と臨地教育」
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/fsta/17k_shigeta/shigeta.html

 ●ウガンダ:「ウガンダ西部のバンツー系諸語の記述比較研究」
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/fsta/17k_kaji/kaji.html

■■■若手研究者の報告
 ●ケニア:ナイロビ・フィールド・ステーション活動報告 No.2
  10月から11月にかけて、京都大学名誉教授の田中二郎さん、
  日本学術振興会特別研究員の丸山淳子さん(元ASAFASの大
  学院生)、そして・・・(続きは下記HP)
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/fsta/17w_sun02/sun_02.html

 ●ケニア:ナイロビ・フィールド・ステーション活動報告 No.3
  11月28日から12月2日にかけて、ナイロビで開かれた「2005年
  ケニア遊牧民週間」(Kenya Pastoralists' Week 2005)に参
  加しました。このイベントは・・・・・・(続きは下記HP)
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/fsta/17w_sun03/sun_03.html

 ●ラオス:ラオス・フィールド・ステーション活動報告 No.1
  今回は、LFSとラオス国立大学林学部が中心となって立ち上げた
  京都大学・ラオス国立大学共同研究プロジェクト「在地の知識
  ー過去・現在・未来ー」について・・・(続きは下記HP)
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/fsta/17w_masuhara/masuhara.html

 ●ラオス:ラオス・フィールド・ステーション活動報告 No.2
  平成16年度活動報告No.4でも述べたように、LFSは日本人研究
  者とラオス国立大学の教員・学生との間の学術交流を促進する
  ため・・・・・(続きは下記HP)
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/fsta/17w_masuhara_02/masuhara.html

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■出版物
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 >>21世紀COEプログラムメンバーが出版した書籍ページ
を新しく公開しました
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/publish/publish_member.html

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■メディアライブラリ
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 ●フォトギャラリー:
  昨年11月にタイで開催された第7回京都大学国際シンポジウム
 「地球・地域・人間の共生 -フィールド・サイエンスの地平から-」
  の模様を記録した写真10枚を掲載しました。
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/fsws/2005_thai/photog20051123.html

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■執行会議だより
  ......プログラム全体の動きと進捗状況についてお知らせします
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 ●2006年2月の執行会議だより
  予算の執行状況、平成18年度のフィールド・ステーション
  運営計画、ネットワーク部会シンポジウム、サテライト・
  ワークショップ、HP更新計画、平成18年度予算案、
 『アジア・アフリカ地域研究』21世紀COEプログラム特集号    
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/shikou/200602.html

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■研究会の記録..............4つの問題群に分類しています
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 ○は開催予定 ●は開催済み

 ●【社会文化問題群】研究会
  第2回「人とモノの問題系」
  日 時:2006年3月8日(水)14:00〜17:00
  場 所:工学部4号館4階第2講義室
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/kenkyukai/asia/20060308/20060308.html

 ●【地域研究論問題群】研究会
  "Rethinking "locality" in the Thai social movements: a comparative
   study of the community forest movement and anti-FTA movement"
  演 者:Pinkaew Laungaramsri(Chiang Mai University)
  日 時:2006年3月8日(水)15:00〜17:30
  場 所:京都大学東南アジア研究所 東棟2階 E207セミナー室
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/english/activities/kenkyukai/asia/e20060308/e20060308.html

 ●【社会文化問題群】研究会
  「グローバルな言説から外された戦い:南北スーダン境界地域の
   住民達の内戦経験」
  演 者:岡崎彰(神奈川大学助教授)
  日 時:2006年3月16日(木)15:00〜17:00
  場 所:京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
      東棟2階第一セミナー室(207号室)
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/kenkyukai/africa/20060316_136.html

 ●【地域研究論問題群】研究会
  「比較の中の東南アジア研究」第8回
  日 時:2006年3月22日(水)11:30〜14:00
  場 所:京都大学東南アジア研究所 東棟2階 E207セミナー室
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/kenkyukai/asia/20060322/20060322.html

 ○【政治経済問題群】研究会
  “Can Better Governance Be All? Malaysian Politics Since
   November 2003”
  演 者:Khoo Boo Teik(Visiting Research Fellow)
  日 時:2006年3月28日(火)15:00〜
  場 所:京都大学東南アジア研究所 東棟2階 E207セミナー室
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/english/activities/kenkyukai/asia/e20060328/e20060328.html
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◆編集子より◆各地から桜の便りがきかれるころとなりました。私たちの
21世紀COEプログラムも最終年度を迎えます。11月には京都で国際シン
ポジウムも計画されています。次号ではそのご案内をお届けできることと
思います。◆年度末のご多忙の折、読者の皆様におかれましてはどうぞご
自愛ください(MS)。

◆お詫びと訂正:第31号に掲載した「研究会の記録」のなかで、「京都大
学東南アジア研究所」の大学名表記に誤りがありました。お詫びして訂正さ
せていただきます。
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◆地域研究情報メルマガ「エチオピアFSだより」発行中!
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 掲載希望の記事や研究会の案内なども受け付けています。
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◆アジア・アフリカ地域研究情報マガジンは、京都大学大学院アジア・
アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)と東南アジア研究所(CSEAS)が共同
して推進する21世紀COEプログラム「世界を先導する総合的地域研究
拠点の形成」の活動内容を中心に、アジア・アフリカの地域研究情報
を電子メールで配信しています。

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編集:統合情報部門ネットワーク部会
発行: 21st Century COE Program
    -世界を先導する総合的地域研究拠点の形成-
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