■■■■■■■■■■■■■■■■■ November 2006 第41号 ■■■
  アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
  Integrated Area Studies INFOrmation Magazine(IAS-INFOM)
  http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/index_j.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■【発行部数919】■■
___________今月号の目次______________
□「リジェクト」.........................................巻頭言
□「遊牧生活をささえるモノ」.....................メルマガ写真館
□フィールド・ステーション(FS)部門の活動
□□現地からの報告:臨地研究・教育
□□□院生によるフィールドワーク報告..........
.............................インドネシア、イスラエル、ベトナム
□執行会議だより..........................(10月号・11月号)
□研究会の記録(一部案内)
□編集子より
_______________________________

■「リジェクト」
           .........................嶋村鉄也

先日、私が大学院の修士時代に行っていた研究をまとめた論文
の抜き刷りが手元に届いた。それを手にしたときは非常に感慨
深いものがあった。何回ものリジェクト(投稿した論文が却下
されること)を経て出版された英語の論文である。おかげで、
編集者からメールがきたら、regrettably, sorry, unfortunately
などの否定的な意味の単語をまず最初に探す習慣が身について
しまった。

リジェクトのダメージは非常に大きい。投稿に至るまでに費や
した時間や労力が無駄に思えるだけでなく、大げさだが全人格
を否定されたような気分になってしまうこともある。別の雑誌
に原稿を修正して再投稿するにせよ、否定された原稿と正面か
ら向き合うのは精神的につらいものがある。私は、通知を受け
取った日は黙って研究室を抜け出し、研究とは関係のない友人
とゴルフの打ちっ放しやバッティングセンターに行って気分転
換をすることにしている。

一方で、リジェクトされて良かったと思う点もいくつかある。
査読者から指摘される欠点や改善すべき点はありがたく思うこ
ともある。冒頭の論文では原稿の中に費やした労力の割に使え
ないと思っていたデータがあったのだが、査読者のコメントを
元に解析をやりなおすことによって、新たな局面がひらけ、受
理に至ることになった。また、リジェクトはよい成長の機会で
もある。よりよい論文とするために、原稿の欠点に真正面から
向き合い、勉強をしてアイデアをひねり出さなければならない。
その結果、リジェクトを受けない論文よりも多くの事を学ぶ事
ができる。

限られた期間内に成果を出すためにはリジェクトは時間の無駄
かもしれない。しかし、その過程でえるものは、その後の研究
活動に大いに役立つ財産となるはずだと確信している。
__________________________
本プログラムのホームページは下記からご覧いただけます。
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/index_j.html

メールマガジンのバックナンバー
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/mailmag/index.html

===========================================================
■メルマガ写真館--フィールドでの写真からはじまるコラム
===========================================================

「遊牧生活をささえるモノ」 .......................内藤直樹

ケニア北部の乾燥地域に住む遊牧民アリアールの男性が、数日前の
雨でできた水たまりの水を、家畜にあたえています。水は、地面を
掘って作った溝にビニールシートをかぶせた即席の水おけ(nkarao)
にためられています・・・・・・・・
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/mailmag/phots/2006_10.html
(写真とエッセイの続きは上記HPでご覧いただけます)

↓「メルマガ写真館」バックナンバー
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/mailmag/phots/index.html

============================================================
■フィールド・ステーション(FS)部門の活動
=========================================================
■■現地からの報告:臨地研究・臨地教育
=========================================================
■■■院生によるフィールドワーク報告
 ●インドネシア「インドネシアにおける国立公園周辺の鳥類相
  と人間活動との関係」
 現在、人間による影響を全く受けていない純粋な自然地域は
 極めて少なく、人間と土地との共存のもとに存在する自然地
 域が多数存在する。・・・(続きは下記のリンクから)
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/fsta/18_kataoka/18_kataoka.html

 ●イスラエル「インテイファーダ期東エルサレムにおけるパレ
  スチナ人の抵抗―『聖地の空間』をめぐる記憶のポリティクス」
 本研究の目的は、旧市街を中心とする東エルサレムのパレスチナ
 社会に着目し、「物理的暴力」によらない占領と抵抗のあり方
 を明らかにすることである。・・・(続きは下記のリンクから)
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/fsta/17_tobina/17_tobina.html

 ●ベトナム「砒素汚染のないバングラデシュ―水環境の修復に
  向けた水利用と生活スタイルの提案―」
 1990年代以降バングラデシュでは飲料水である地下水の砒素汚染
 が深刻な環境問題となっている。国土の半分が汚染地域で、
 約3000万人が健康被害の危険に晒されている。
  ・・・(続きは下記のリンクから)
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/fsta/16_takahashi_a/16_takahashi_a.html

=========================================================
■執行会議だより
 ...プログラム全体の動きと進捗状況についてお知らせします
=========================================================
 ●2006年10月の執行会議だより
  追加予算の申請、ネットワーク部会のワークショップ、2週
  間後に迫った京都シンポジウム、好評のウェブサイトとその
  DVD化、外部評価の実施、予算の再配分、21世紀COE
  プログラム事業の継承
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/shikou/200610.html

 ●2006年11月の執行会議だより
  追加予算の配分、外部評価の結果、京都シンポジウムの報告、
  最終報告書とHPコンテンツのDVD化、日本学術会議のシ
  ンポジウム
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/shikou/200611.html

=========================================================
■研究会の記録..............4つの問題群に分類しています
=========================================================
 ○は開催予定 ●は開催済み

 ●【地域研究論問題群】研究会
  “Special Seminar”
  日 時:2006年11月2日(木)13:30〜17:50
  場 所:京都大学東南アジア研究所 東棟2階会議室
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/english/activities/kenkyukai/asia/e20061102/e20061102.html

 ●【社会文化問題群】研究会
  “Core University Program Special Seminar
   Project 8: "Changing 'Families'"-Is the Thai Family Patriarchal?”
  日 時:2006年11月14日(火)13:30〜17:30
  場 所:京都大学東南アジア研究所 東棟2階会議室
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/english/activities/kenkyukai/asia/e20061114/e20061114.html

 ●【政治経済問題群】研究会
  “State, Market and Community”
  演 者:Roem Topatimasang、Arusdin Bone
  日 時:2006年11月15日(水)16:30〜18:30
  場 所:京都大学東南アジア研究所 東南亭(北棟2階 )
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/english/activities/kenkyukai/asia/e20061115/e20061115.html

 ●【社会文化問題群】研究会
  「サラパン仏教賛歌―東北タイ農村における女性の宗教
   実践と社会変容―」
  演 者:加藤眞理子(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
  日 時:2006年11月17日(金)16:00〜18:00
  場 所:京都大学東南アジア研究所 東棟2階会議室
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/kenkyukai/asia/20061117/20061117.html

 ●【政治経済問題群】研究会
  「比較の中の東南アジア研究」2006年度 第3回
  演 者:古屋博子(神田外国語大学非常勤講師)、
      西村謙一(大阪大学助教授)
  日 時:2006年11月18日(土)14:30〜18:00
  場 所:京都大学本部構内 工学部4号館4階
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/kenkyukai/asia/20061118/20061118.html

 ●【人間生態問題群】研究会
  「ミャンマー・インレー湖流域の土壌浸食及び土砂堆積」
  演 者:古市剛久
          (オーストラリア国立大学 資源・環境研究センター 博士課程)
  日 時:2006年11月28日(火)9:00〜10:00
  場 所:京都大学東南アジア研究所 東棟2階会議室
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/kenkyukai/asia/20061128/20061128.html

 ○【地域研究論問題群】研究会
  「地域研究アーカイブ」 第1回
  日 時:2006年12月8日(金)16:00〜18:30
  場 所:京都大学東南アジア研究所 東棟2階会議室
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/kenkyukai/asia/20061208/20061208.html
__________________________________

◆編集子より◆京都シンポジウムには大勢の方々に参加いただき
ありがとうございました。おかげさまで無事、盛況のうちに終え
ることができました。◆今月号の巻頭言は、今夏からはじまった
「魅力ある大学院教育」イニシアティブ・プログラム「臨地教育
研究による実践的地域研究者の養成」に10月からフィールドワ
ーク・インターンシップ支援室に特任助手として着任された嶋村
さんにお願いしました。「院生の気持ち」のわかる若手教員とし
て期待するところ大です。支援室は川端通り沿いの南棟1Fにあり
ます。リジェクトの経験だけでなくフィールドワーク研究の悩み
にもなんでも気軽に相談に応じてくれることと思います。(MS)

http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/index.html
ASAFAS「魅力ある大学院教育」イニシアティブ・プログラムHP
__________________________________

◆地域研究情報メルマガ「エチオピアFSだより」発行中!
新規登録は下記からお願いします。
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/efs/j/magazine.html
...........................................................

◆このメールマガジンへの感想やご質問をお気軽にお寄せください。
 掲載希望の記事や研究会の案内なども受け付けています。
 宛先:areainfom@areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp
__________________________________

◆このメールは「まぐまぐ」と「melma!」システムを利用して配信して
います。新規登録・解約は下記ページにてお願いします。
http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/mailmag/index.html

◆アジア・アフリカ地域研究情報マガジンは、京都大学大学院アジア・
アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)と東南アジア研究所(CSEAS)が共同
して推進する21世紀COEプログラム「世界を先導する総合的地域研究
拠点の形成」の活動内容を中心に、アジア・アフリカの地域研究情報
を電子メールで配信しています。

■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集:統合情報部門ネットワーク部会
発行: 21st Century COE Program
    -世界を先導する総合的地域研究拠点の形成-
   http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/index_j.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■