2003年
9月号

  今月(9月)から、「執行会議だより」と題して、毎月おこなわれている本プログラムの執行会議の様子をお伝えしたいと思います。執行会議というのは、その名の通り、拠点リーダー、事務局長をはじめとして、プログラムを執行する上で仕事を分担しているメンバーたちが一同に会する会議です。

  公式的に言えば、これが最高意志決定機関ということになりますが、決定だけではなく、情報の共有化、意見の交換などをおこなって、プログラム執行を円滑にする働きをしています。インターネット時代になって、電子メールやメーリングリストによる情報の流通がずいぶんと便利になりましたが、人間同士はやはり顔を合わせて話し合うことが一番のように思います(ちょっと、私は古いタイプかな?)。

  さて、今月は9月18日(木)に会議が開催されました。本当は、報告事項と審議事項は分かれていますが、私の「たより」では順不同でまいります。

  今回の執行会議の目玉は、何と言っても、来月おこなわれる予定のエチオピアでの国際ワークショップでしょう。アジス・アベバ大学との協力で行われるワークショップは、意欲的な内容も固まって、案内のチラシやポスターもできました。夏中、この準備をしていたメンバーには深謝、です。開催ひと月前のこの時点で十分準備が進んでいることがわかり、執行会議としては一安心でした。来月、エチオピアにお出かけの皆さん、気をつけて、そして有意義な時間を過ごしてきてください。参加する院生も力が入っているようですし、成果が楽しみなことです。

  アフリカでは、カメルーンで「地元社会への知的還元セミナー」の準備もおこなわれていると報告がありました。フィールド・ステーションを活用した活動がどんどんおこなわれるのは嬉しいことです。もっとも、各フィールド・ステーションの活動などは、ホームページに随時掲載されているので、執行会議ではいちいち報告されるわけではありません。

  ホームページが充実してきました。一時、作業プロセスが複雑なので交通整理が必要と報告されていましたが、今回は、それがうまくいき、非常に安定しているとの報告。7月の執行会議で、このプログラムでは紙の広報用印刷物などは出さずに、ホームページを主体に情報公開していくことが再確認されましたので、これは大事な点です。更新も頻繁なので、見ていても楽しいですが、欲を言えば、外部からの閲覧者がどんどん増えてもらいたいところです。まさにこの点に取り組む意図を込めて、近々オンライン・マガジンが立ち上げられる計画だと報告されました。

  シンポジウム関係では、年度ごとの大型のシンポ・会議について6月から素案を検討してきましたが、そろそろ決定すべき時期に来たようです。研究成果等推進部会から、来月の執行会議で最終的な原案が提出されることになりました。関係者の皆さんとは、それまでに実行委員会の構成等について、折衝を進めることになるでしょう。10月はじめは、研究科の入試(東南アジア研究センターの協力講座も含めて)がおこなわれますので、それと同時並行で、少し忙しいかもしれません。もっとも、入試の季節は先生方が全員国内にいるので、打ち合わせには便利なのですが。

  さて、人の動きに関しては、まず、21世紀COEに枠がついた学術振興会の特別研究員は、申請通りに採択されたとのこと。フィールド・ステーションの派遣学生は、後期分の募集をしていましたが、締め切って、これから選抜をおこなうとのこと。旧COEプログラム(1998〜2002年度)ならびに本プログラムによる購入図書資料との関係では、付属図書館の閲覧業務担当の方も確定して、業務が円滑におこなわれているとのこと。統合情報化センターに関しては、データベースについては、有能なシステム構築者が作業をがんがん進めているので、今秋から試運転を開始するとのこと。「メタ・データベース」を構築するプランは非常に野心的なもので、将来が大いに期待されていますが、構築したあとのシステムを運営するためのマニュアルつくりが肝心なようです。

  教員については、新しい先生が春と秋に着任し、このプログラムにも加わることになっています。それはありがたい話で、いいのですが、逆にほかに移る先生の担当業務を埋めなければならないという問題もあって、今月は、その話し合いをしました。どのような研究プログラムでも、事務局や行政系の委員会(広報など)の仕事は、いわば労働奉仕のような側面があり、互いに助け合わないといけません。とはいえ、お互い忙しい身、無理をお願いするのもつらいところです。誰に頼むか、一応、執行会議で粗ごなしをして、後はご本人の同意をなんとか取り付ける、ということになりました。

  最後に、執行会議につきものの、予算執行の話題。本プログラムの今年度予算1億2000万円と言えば、けっこう余裕があるように感じる方もいるかと思いますが、これだけ国際的に大きく展開し、200人もの研究者が関わっているプログラムとなると、そうそうゆとりはないものなのです。細かく丁寧に予算管理をしていく必要がありますが、今回も、細かな調整を少ししました。エチオピアのワークショップも、もともと無理を承知の予算だったので、倹約に倹約を重ねつつも少しはみ出そう、ということで、全体から何とかその分をカバーすることになりました。このプログラムの趣旨を体現するワークショップですから、当然と言えば当然でしょう。予算執行は順調ですが、21世紀COEそのものについて、昨年度・今年度の2回の募集で終わりと思われていたのが、さらに2年間延長して募集をするという情報が伝わってきました。それ自体はいいことかと思いますが、そのために、既存のプログラムの来年度予算が少しタイトになるかもしれません。

  秋は、研究にも教育にも絶好の季節です。地域研究者にとって夏期は臨地調査のための重要な時期ですが、それも終わりに近づき、プログラム・メンバーもだんだん戻って来ました。お互いに健康に気をつけながら、秋期もがんばって参りましょう。(文責=小杉)

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