2004年
2月号

  今月の「たより」をお届けする前に、前回からの続きの「プログラムの推進・執行体制についてPart2 」です。前回は、推進・執行体制の枠組について話しました。今回は、その実際の運用です。

  プログラムの当初の目的を計画に沿って効率よく達成するためには、当然参加者間の意志伝達と意見調整をどのように図り、プログラムをどのように運営していくかが問題となります。計画をどのように推進するかだけでなく、物事はかならずしも計画通りに進みませんから、計画の軌道修正についても議論する必要があります。これらの事柄を話し合うための会合こそが、月例第三木曜日開催の執行会議です。そのメンバーは、ホームページの「役割分担」のうちの「本部執行会議」に含まれる約17人ほどの人を差します。

  執行会議は、プログラムが立ち上がった2002年11月の1ヵ月後に最初の会合がもたれ、会議の夏休みとなる8月を挟んで、今年の2月の会議が第14回でした。会議は、事務局が用意した報告事項と議題を軸に進行します。各部門、部局における予算執行状況や活動進捗状況についての報告、新企画、たとえばワークショップの内容をめぐる意見交換、フィールド・ステーションへの派遣学生の決定など、検討される課題は多岐にわたります。

  毎月会議があるにもかかわらず、報告事項、議題ともに継続的に話し合われるものが多いため、毎回の会議に2時間から2時間半の時間がかかります。たとえば、先月の会議において結論をみたものに、FSの重点化がありました。現在、プログラムはアジアとアフリカで計14のFSを支援しています。5年プログラムの後半ではこの数を絞り、資源の重点的配分を果たすことによって、臨地教育・臨地研究の融合についてまとまった成果を出そうというものです。この件については、昨年度末から折りに触れ会議で意見交換をしてきました。先月の会議の結論として、アジア部会においては、これまでの9つのFSのうち3つについて、学生の新規の臨地調査がない等の理由から平成16年度は事業予算を計上しないことになり、またインドネシアの2FSについては将来的統合が検討されることになりました。同様に、アフリカ部会においても、平成16年度にFSの選別を行い、17年度から重点化を開始する予定です。

  会議の内容は毎回議事録にまとめられ、拠点形成推進機関であるASAFASとCSEASの教員にメールによって配信されます。そして、昨年の9月からは、この議事録をもとに「執行会議だより」が筆にされ、HPをつうじてASAFAS院生や一般にも公開されている、というわけです。幸いなことに、プログラム構成員の協力のもと、上のような推進執行体制はこれまでのところ順調に機能しています。

  さて、2月19日に開催された執行会議です。年度末が近づきましたが、独立行政法人への移行期である今年度は、一年の会計を早めに締める必要があります。というわけで、事務局の会計担当は、予算執行期限は2月末である旨の「最後通牒」を宣言しました。他には、中間評価用の「プログラム進捗状況報告書」を大学本部に提出したこと、10月末に予定されている大学院生ワークショップをASAFAS・CSEAS関係者にメールで配信し、WS発表希望者の内部公募が始まったこと、メルマガ6号が刊行されたこと、平成16年度のFS派遣の院生を募集中で締め切りは3月3日であること、などが報告されました。また、プログラムの成果・刊行物には、かならず21世紀COEプログラムの成果である旨のクレジットを入れるよう、事務局からの要請が伝えられました。なお、「プログラム進捗状況報告書」は「プログラムの進捗状況」としてホームページに載る予定だそうです。

  議題としては、ラオスFSのためのCOE研究員の公募が1月16日から2月12日にかけてありましたが、公募者のなかからラオス経験の豊かな日本人が候補者として選ばれ、会議において承認されました。タイの大学において修士号を取得し、それがタイ語で出版された優秀な人であり、今後のFSでの活躍が楽しみです。プログラム3年目が始まる来年度から、執行会議のメンバーがかなり大きく入れ替わることになり、その人選も検討されました。一部の人の行政的負担を軽減する一方で、なるべく多くの人にプログラム執行の現場に関わって欲しいという意図があります。過労がもとなのでしょう、現在、部会長の1人が極度の腰痛で入院中であり、こうしたことを考えても、仕事の適正なローテーションが不可欠です。

  もうひとつの重要な議題は、ホームページの構造の変更にかかわるものでした。日本語のトップページの目次部分に手を加え、頻繁に更新がなされるものをなるべく表に出したらどうかというものです。HP内にリンクが張り巡らせてあるため、項目タイトルの変更などは困難ですが、この件についてどのような対応が可能かをネットワーク部会で検討することになりました。一人でHPの維持・更新を担っている担当者の仕事環境の改善も話題となりましたが、なかなか即効的な解決策を見出せずにいます。

  来月はいよいよ今年度最後の執行会議です。各FSからの年次報告などがあり、どうやらいつもよりさらに長い会議となりそうです。(文責=加藤)

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