2004年
3月号

  本年度最後の執行会議が3月18日に開催されました。年度の最後ということで、今年度予算の執行についての報告と各FS活動の報告があり、また来年度予算編成についての審議がありますので、今回は執行会議と拡大執行会議を兼ねることになりました。拡大執行会議は、昨年の1月(2002年度)に続いて今回が2度目の開催です。一部出張中のメンバーが欠席せざるをえなかったとはいうものの、20人の出席者を数える会議となりました。

  冒頭に、ネットワーク部会の宋さんから、メタデータベースの構築、すなわち各種のデータベースを標準化する仕掛けをつくり、データベースのデータベースを構築する作業について、現在取り組み中の地図データベースを液晶プロジェクターで直接スクリーンに映し出して説明がありました。素人には理解することの難しい仕組みですが、今回のデモンストレーションでは地図上にいろいろな情報が視覚的に映し出され、わたしたちのような生態学的観点を重視する地域研究には大変有用なデータベースとなりそうです。これからの課題は、使い勝手がよいように、ユーザーインタフェースを改善することだとのことでした。

  10月開催の大学院生ワークショップについては、3月17日に開催されたWGの会合の内容が報告されました。この会合からWGの主査が若手教員に交替しましたが、今後は院生と若手教員が中心となって活動し、なるべく企画段階から院生の主体性を重んじる方向に舵取りを変えて、企画・立案の日程にも少し時間の幅をもたせることになりました。このWSとは別に、再来年度にはインドネシアのボゴールで国際会議を開催する予定にしていますが、この計画についても報告がありました。日程としては2005年11月中旬の4日間ほどで、テーマとしては“Resource Management and Human Security”といったものを考えているとのことです。出席者は研究者が中心となりますが、院生のセッションも組み込み、またエチオピアWSにおけると同じように、スタディツアーも企画する予定だそうです。

  各FSの年次活動報告もありましたが、これはいずれHPに掲載されますので、この「たより」では割愛します。

  今回の重要な議題は来年度の予算編成です。申請額1億5000万円にたいして、3月3日に通知のあった交付内定額は1億700万円でした。71.3%の支給率ですが、1億円を想定して予算づくりをしてきましたので、事務局は一安心です。とはいえ、各部門や部会は多くの活動ならびに予算を縮小して1億円の予算に合わせましたので、当然、想定外の700万円は、喉から手が出るほど欲しい額のはずです。それぞれ希望があったこととは思いますが、事務局がこれを秋まで予備費として管理するという提案は、幸い異論なく了承されました。

  FS部門からは、来年度前期の派遣学生の選考結果が提示されました。アジア部会とアフリカ部会に12人ずつの学生から申請があり、それぞれ11人の学生を派遣したいというもので、執行会議において承認されました。来年度予算との関係でいえば、後期の派遣申請者の数がどれほどあるかが、予備費の行方に大きな影響を与えることになります。なお、来年度は、ミャンマーとラオスのFSに一人ずつCOE研究員が派遣されます。

  現在、「地域研究」分野で採択された21世紀COEプログラムは6つあります。これらのプログラムの間で連携活動を企画しようという動きがあり、その一環として来年7月に札幌で3日間のシンポジウムを開かないかという提案が、当プログラムにももたらされました。来年はボゴールでの国際会議があり、予算面等での制約があるため、なにかと困難が予想されるのですが、わたしたちもできる範囲で参加を検討しようということになりました。

  プログラムも2年目を終えることになり、またASAFASの人事異動もあるため、広報部会や執行部全体の役割分担が一部で大きく変わります。部門や部会の責任者のポストを降りられる方は、どうもご苦労様でした。4月以降も継続される方、そして4月から新任の方は、よろしくお願いします。いずれにしても、執行部への参画の如何にかかわらず、ASAFAS・CSEASの構成メンバー、そしてこの「たより」を読まれている一般の方々を含めて、来年度は中間評価を迎えることでもあり、4月からの一年間、旧来にも増してプログラムへの支援をよろしくお願いします。(文責=加藤)

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