2004年
6月号

  執行会議メンバーに外国出張者があったことから、今月の会議日を移動させることが検討されましたが、結局6月の会議は定例の第3木曜日の午前中に開催されました。日を代えようにも、出張者のいない日をみつけることが困難だったからです。そろそろ平成16年度の予算執行が開始される時期になり、出張者も増えますから、今後は会議日の調整がなにかと難しくなることでしょう。

  会議では、まず、先月の会議で宿題とされた、独法化のもとでの財務会計システムに基づく予算執行方法についての説明がありました。各月の書類提出締切り日、支払日などが伝えられるとともに、独法化によって事務補佐の人の謝金単価が昨年度より下がることが報告されました。人件費単価の圧縮は、独法化のもつ厳しい側面のひとつです。事務補佐の方たちのご理解を祈るばかりです。

  先月に続いて、最終年度、平成18年度開催の京都における国際シンポジウムとの関係で、暫定的な開催会場・開催日が決まったことが研究成果等推進部会から報告されました。会場は医学部が運営する芝欄会館の本館で、日程的には2006年11月11〜13日か11月17〜20日です。

  同じく先月ネットワーク部会から紹介された、サイボウズ社のグループウェア「Share360」について、その使用法が、グループウェアの画面を液晶プロジェクターで直接スクリーンに映し、説明されました。電子会議室、掲示板、個人の研究業績ファイルの管理などができるものです。グループウェアの用法にかかわる説明は、ある程度文書化する必要があり、これの準備ができた段階で、21世紀COEメンバーへの説明会の開催を考えたい、ということでした。なお、グループウェアのサーバー名ですが、いろいろな議論の末、“Area Studies Communication”の略でASCOMとなりました。

  広報部会からの報告は、フィールド・ステーションに派遣された院生の報告書にかかわるものでした。報告書はホームページに載せられ、派遣の成果を広くアピールする役割を担います。報告書が速やかに、きちんとした形で提出され、かつHPに載るためには、派遣院生・指導教員・FS部門担当者・事務局・広報部会・HP担当事務補佐の間のスムースな連携プレイが必要とされます。そのための仕事の流れについて、広報部会から新たな提案がなされたものです。とくに院生と指導教員の役割が重要ですので、今後ともに事務局からの依頼には迅速に対応してもらえるよう、願いたいものです。

  今月の主要議題はふたつです。ひとつは、ホームページの日本語トップページ目次部分の再編です。じつは、この部分は2月に手を加えたばかりでした。しかし、5月の中間評価ヒアリングに備えて集めたデータをHP上で公開するために、また今後、年度ごとに更新累積されるデータを体系的にHPに取り込むためにも、目次の構成を再検討したいという提案でした。リーダーが用意した原案を検討しましたが、基本的にこの案が執行会議で承認されました。広報部会で具体的な対応が決まれば、夏休み中に作業を進めることになります。

  もうひとつの議題は、来年の国際シンポジウムに関するものです。これまで、このシンポジウムは、インドネシアで開催することを前提に検討してきました。インドネシア側の受け皿とされたのは、地元の大学とボゴールに研究所を置く国際機関です。これとの関係で、リーダーから、この2組織の間での共同開催をどうアレンジするかをめぐって日本側WGの意見調整が難航している、また中堅・若手で手足となる人材を島嶼部研究者のなかに見出しにくい、等が問題となっている旨、報告がありました。

  このような状況を踏まえ、リーダーがWG座長と相談した結果、ボゴール開催を白紙に戻すことで合意に達した、今後は、東南アジアの他所、たとえば大陸部でシンポジウムを開催できないかを検討してはどうかとの提案でした。

  従来の方針からの大きな方向転換ですから、当然この提案を巡っては多くの意見が出されました。方向転換の是非、他所での実現性、などです。最終的には、リーダーの提案が承認されましたが、今後は京大が学内公募をする国際会議助成資金への申請時期を睨みながら、他所での開催の可能性を模索、検討していくことになります。

  というわけで、今月こそ、執行会議が異例の速さで終わるかと思いましたが、最後の議題をめぐって多くの議論が交わされたこともあり、定例の12時まで会議は続きました。災転じて福となす、方向転換をきっかけとして、国際シンポジウムの開催に向かってプログラム・メンバーの力が一層結集できればよいが、と祈念しています。(文責=加藤)

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