2005年
2月号

  今年に入って2回目の執行会議が2月17日に開催されました。あいにく拠点リーダーの加藤教授が外国出張のため、事務局長の市川が議長役を務めました。

  会議の報告のなかに、うれしいニュースがありました。われわれのプログラムのHPをみたという方から、HPに掲載された大学院生のレポートを読んで感激したので、是非、それらを企画中の単行本のなかに転載したいということでした。このような形で学生のレポートが評価され、より広い読者に読まれることは歓迎すべきことと考えます。出版に関する交渉は、基本的に著者本人がHPを管理しているプログラム拠点や初出誌である「アジア・アフリカ地域研究」編集委員会の合意を得てすすめるものですが、レポートの意図が誤解されたり、間違った利用法がされないためにも、依頼主との交渉等にあたっては、当面、指導教員がアドバイスを与えるなど、サポートをしていくことになりました。

  会議ではまた、現在、作成中の「アジア・アフリカ生態地域データベース」のための写真資料の提供について統合情報化部門からリマインドがありましたが、これらの資料に関する版権等の扱いについても十分に考慮しておく必要があることが確認されました。

  フィールド・ステーション部門からは、中間評価におけるコメントを受けて17年度から増員することになったCOE研究員の公募状況に関する報告がありました。これまでの東南アジア地域のフィールド・ステーションに派遣される研究員のほかに、来年度からはアフリカにも2−3名が派遣されることになります。フィールド・ステーション部門からはこのほかに、17年度前期の海外派遣学生の募集に関するアナウンスがありました。われわれの拠点では、フィールドワークを通して大学院生の研究能力の向上を図ることを若手研究者育成の重要な柱として位置づけており、この方針に従って、これまでに延べ80名近くの大学院生を海外に派遣していますが、これらの学生による成果の発表が今後、ぞくぞくと現れることを期待しています。

  予算関係では、16年度の予備費として措置していた残額の使途について決められたほか、近く交付内定通知が予定されている17年度予算の編成方針に関して議論が交わされました。17年度の交付予定額は9,800万円で、これに、間接経費として980万円が別に措置されるということです。間接経費の使用法についてはまだ大学本部の合意ができていないようですが、いずれにしても予想以上の予算削減になることはまちがいありません。17年度にはバンコクでの国際シンポジウムとその後のスタディー・ツアーや研究会の企画等があり、また、残り2年となったこのプログラムの成果発表にも力を入れる必要があることから、これまで以上に苦しい予算運営を強いられることになりそうです。最終年度には、シンポジウムの開催や成果の発表に相当な予算措置を講じる必要があることを確認した上で、来年度の部門別の予算枠が承認されました。

  交付申請書と同じ時期に、昨年11月末に発表された中間評価のコメントを踏まえて「修正計画調書」を提出することになっています。われわれの拠点に関しては、「フィールドワークによる研究」や、「文理融合によるアプローチ」、「アジアとアフリカの地域間の比較研究」等に関する、より具体的な取り組みが求められており、来年度以降は、とくにこれらを盛り込んだ計画に重点をおくことになります。

   平成17年3月31日をもって、拠点リーダーの加藤剛教授と政治経済問題群担当の白石隆教授が他大学に転出されることになり、2人に替わって東南アジア地域研究専攻の平松幸三教授、東南アジア研究所の柴山守教授、水野広祐教授に事業推進担当者として本計画に加わっていただくことになりました。来年度からは新メンバーを加えてさらに計画を推進していくことになりました。(文責:市川)

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