2006年
7月号

  通算で40回になる本部執行会議が7月18日(木)に開催されました。まず市川教授からこれまでの予算の執行に関する報告がおこなわれました。その後、21世紀COEプログラムで出版を助成し、最近出版されたマモ・ヘボ氏の著書(Mamo Hebo, 2006, Land, Local Custom and State Policies: Land Tenure, Land Disputes and Disputes Settlement among the Arsii Oromo of Southern Ethiopia, Kyoto: Shoukadoh)が回覧されました。この本は2004年に大学院アジア・アフリカ地域研究研究科に提出されたマモ・ヘボ氏の博士論文に改訂を加えたものであり、アルシ・オロモArsii Oromoの住む南部エチオピアの農村地域における土地制度や土地紛争が国家政策と複雑にもつれあう様相を歴史的な観点から描き出した労作です。

  つづいて高田助手から11月9日〜13日に開催される京都シンポジウム「総合的地域研究の新地平 : アジア・アフリカからディシプリンを架橋する」の準備にかかわる進捗状況の報告がおこなわれました。このシンポジウムのウェブサイトは4月13日から公開されていますがhttp://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/kyotosympo/index.html、近いうちに、メイン・パネルとサテライト・ワークショップにおける発表者、発表タイトル、発表時間等を網羅した詳細なプログラムが掲載されます。また、このウェブサイトには近日中にレジストレーションのためのCGIが設置され、参加登録の受付が開始されます。シンポジウムへの参加をご希望の方はこのCGIをご利用ください。

  「執行会議だより」の2005年12月号で紹介したことがありますが、京都大学に23ある21世紀COEプログラムの拠点からASAFASをふくむ8拠点が参加し、京都大学国際シンポジウム「地球社会の調和ある共存にむけて」(“The Quest for Harmonious Co-existence in the Planetary Community”)が今年の11月にバンコクで開催されます。このシンポジウムの準備の進捗状況が報告され、ASAFASから派遣するシンポ参加者の人選や人数等について若干の議論がおこなわれました。

  つづいて、平成18年度の「『魅力ある大学院教育』イニシアティブ」にASAFASから申請していた「臨地教育研究による実践的地域研究者の養成」と題する教育プログラムが採択されたとの報告が市川教授からおこなわれました。「『魅力ある大学院教育』イニシアティブ」は、現代社会の新たなニーズに応えられる創造性豊かな若手研究者の養成機能の強化を目的として平成17年度から実施されている文部科学省の事業です。したがって、世界最高水準の研究教育拠点の形成を図る21世紀COEプログラムとは異なる目的をもつものですが、両者を独立して実施しつつも、どのようなかたちで効果的に連携させることができるかについて、執行会議ではしばし議論がおこなわれました。 (文責=杉島)

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