2007年
3月号

  通算47回目、そしてこのプログラム最後の執行会議が3月22日に開催されました。まず予算の執行状況について、予定されていた事業はほぼ順調に進み、人件費の一部を除いて年度内に執行できるとの報告がありました。これまで毎年、1億円内外の予算を適切に執行できたのは、ひとえに事務局の方々の努力のおかげで、予算計画立案から執行に至るまで会計全般にきめ細かな目を配っていただいた池野先生には、とくに感謝したいと思います。

  つぎに、日本学術会議地域研究員会の主催で3月2日に東京で開催されたシンポジウム「地域研究の最前線−知の創成−」についての報告がありました。このシンポジウムは、21世紀COE プログラムで採択された地域研究関係の7つの拠点がそれぞれの活動と成果の概要を紹介したもので、我々のプログラムからは、市川が「アジア・アフリカに関する総合的研究教育拠点の形成」というタイトルで発表をおこないました。同時に、プログラムを紹介するポスターの掲示や、プログラムによる出版物等も展示されました。また、我々の拠点では、プログラムのウェブサイトの情報をまとめたDVDの試作品をあわせて展示しましたが、なかなかの好評で入手希望者が多数あったということでした。

  今回は成果刊行についても多くの報告がありました。まずプログラムの大きな成果として、大学院生・若手研究者による論文集が大学院アジア・アフリカ地域研究研究科の研究誌「アジア・アフリカ地域研究」の一巻として年度内に出版されることが編集委員長の杉島教授から報告されました。このほかにも、タンザニア、ケニア、ザンビア及び南部アフリカ、それにラオス(4冊)等のフィールド・ステーション関係の論文集が年度内に出版されます。このうち、ラオス関係の出版は現地語(ラオス語)によるものであり、あとはすべて英文によるものです。プログラムの成果出版は、最終年度に入って一気に加速された感がありますが、通常、成果の刊行は多少遅れるもので、プログラム終了後もしばらくは成果の刊行がつづくことが予想されます。そのための予算措置の保証がないことが残念です。

  ネットワーク部会からは、プログラムの広報を支えてきたAreaInfoのサーバー機能を本部の大型コンピュータに移管する案が提示され、そのための経費と移行期間中のサーバー保守の財源をアジア・アフリカ地域研究研究科に要請することが了承されました。また、図書部会からの要請により、プログラムで購入した図書資料の管理その他に関するいくつかの懸案事項が検討されましたが、いずれも執行会議だけで解決できる問題ではなく、今後は研究科の図書委員会でひきつづき検討をしてもらうことになりました。

  最後に、プログラムの最終報告書の進行状況の報告と、事後評価報告書の作成作業に関する意見交換が行われました。これまで当初の方針にしたがって、プログラムの活動状況と成果に関する広報をもっぱらウェブサイトを通しておこなってきたので、最終報告書は印刷媒体の形でプログラムの全貌を伝える最初にして最後の出版物となります。年度末の急ピッチな作業によって、どうにか年度内に出版が可能な状態になりました。また、プログラムのウェブサイト情報を盛り込んだDVDはすでに完成しており、報告書はこの2つをセットにした形で公表されます。またこれとは別に、事後評価用の事業結果報告書を作成する必要がありますが、こちらの締め切りは5月末日なので、4月に入ってから現在の執行会議・事務局を中心に作業をすすめることになりました。

  これまで通算47回にわたって行われた本部執行会議も今回がいよいよ最後となりました。プログラムのほうも、準備段階から含めると5年間が経過したことになります。なんとかここまでスムーズに事業をすすめることができたのは、前拠点リーダーであり、最初にきちんとした執行体制を築いてくれた加藤剛名誉教授に負うところが大きいと思います。本部執行会議のメンバーや事業推進担当者、研究協力者の方々、そしてプログラムの主役である大学院生や若手研究者の皆さんの力強い活動は、プログラム推進の原動力でした。また、このプログラムのために縁の下の力持ちとなって、事務局や広報部会、図書部会の活動を支え、ときには切り盛りしてくれた非常勤職員の皆さんの協力無しには、何事も進まなかったのにちがいありません。プログラムを終えるにあたって、これらの方々に心より御礼を申し上げるとともに、アジア・アフリカに関する総合的地域研究がこの京都の地でますます発展することを祈りたいと思います。(文責=市川)

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