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 中村 香子  NAKAMURA Kyoko
 所属:  京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
 E-mail:  nakamurajambo.africa.kyoto-u.ac.jp

研究概要:

東アフリカの牧畜民サンブルの身体装飾と年齢体系の変容に関する人類学的研究

 本研究は、東アフリカ・ケニア共和国の牧畜民サンブルを対象に、この社会の主要な統合原理のひとつである年齢体系の動態・変遷を身体装飾の変化を材料としながら実証的に解明することを目的とする。

 サンブルの年齢体系では、男性は結婚と割礼によって「少年(生後〜割礼)」「モラン(戦士)(割礼〜結婚)」「長老(結婚〜)」という三つの階梯に分けられるが、本研究ではとくに「モラン」という独特の存在に注目する。サンブルにおいて装身具は個人の社会的な地位や儀礼的な状況を表示し、その授受は社会関係を構築する役割を果たしてきた。なかでもモランは、ビーズを多用した装身具で身を飾っているが、近年、その装身具の種類は急増し、「装飾性」を増している。

 装身具にみられるこうした変化を、学校教育・出稼ぎ・観光産業・市場経済といった現代的な状況との関連において考察するとともに、急速に変化する社会環境のもとでモランの新しい経験が年齢体系をどのように変化させていくのかを総合的に分析する。


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モラン(戦士):10代後半から30歳前後の未婚の青年たち
未婚の娘:ビーズの首飾りは14キロ!頭飾りは造花。人々の装身具は年々派手になっている

主な業績:

■論文発表

Nakamura, K. 2005. Adornments of the Samburu in Northern Kenya: A Comprehensive List. The Center for African Area Studies, Kyoto University.

中村香子. 2004. 「『産まない性』−サンブルの未婚の青年層によるビーズの授受を介した恋人関係−」田中二郎他(編)『遊動民−アフリカの原野に生きる−』昭和堂, pp.412-438.

中村香子. 2003. 「牧畜民サンブルの『戦士』の旅−観光地への出稼ぎと装身具をめぐる新しい経験−」『旅の文化研究所研究報告』12:109-131, 旅の文化研究所.

中村香子. 2002. 「ケニア・サンブル社会における年齢体系にうめこまれた『インセスト的』な性関係」『日本=性研究会議会報』14(1):43-56, 日本性教育協会.

中村香子. 2002. 「おカネはミルク、おカネは水−牧畜民サンブルのレトリック−」小馬徹(編)『くらしの文化人類学5・カネと人生』雄山閣, pp.24-46.

中村香子. 2002. 「ビーズの恋人−ケニア・サンブル社会における未婚の男女の性関係と社会変容−」『アフリカレポート』35:15-20, アジア経済研究所.

中村香子. 2001. 「進化するビーズ装飾−ケニア・サンブル社会におけるモランの変容−」『アフリカレポート』33:32-36, アジア経済研究所.

中村香子. 2000. 『北ケニアの牧畜民サンブルの身体装飾と年齢体系:サブカルチャーとしての戦士とビーズ』京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科, 博士予備論文. 

<エッセイなど>
中村香子. 2004. 「戦士の『情報技術』」『まほら』No.41, pp42-43, 旅の文化研究所.
中村香子. 2000. 「ことばは楽しい9・スワヒリ語 Habari? Nzuri! 『どう?』『元気です!』」『国際文化フォーラム通信』No.47, pp.8-9.

■口頭発表

2004年「無心する側の論理」『特別フォーラム「無心の壁―アフリカ人の個人的援助要請とのしのぎあい;その意味を探ろう」』第41回日本アフリカ学会学術大会(中部大学)
2003年「牧畜民サンブルの『戦士』の旅−観光地への出稼ぎと社会変容に関する人類学的研究−」第9回旅の文化研究フォーラム(東京) 2002年「『インセスト的』な性関係に関する人類学的研究:東アフリカの牧畜民サンブル社会におけるセクシュアリティの分析から」第42回日本=性研究会議(東京)
2002年「サンブル社会におけるモラン(戦士)の「クラブ」:モランと未婚/既婚女性との性関係から社会変容をみる」第39回日本アフリカ学会学術大会(東北大学)
2001年「北ケニアの牧畜民サンブルのモラン(戦士)と「擬似結婚」:年齢体系の変容との関わりにおいて」第38回日本アフリカ学会学術大会(名古屋大学)
2000年「北ケニアの牧畜民サンブルの身体装飾と年齢体系:サブカルチャーとしての戦士とビーズ」第5回生態人類学会学術大会(山口県立大学)


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