Zambia Field Station
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ザンビア・フィールド・ステーション(ZFS)は、21世紀COEプログラム「世界を先導する総合的地域研究拠点の形成」によって南部アフリカ諸国のフィールドワークを推進するために設置されました。現在、ザンビアの首都ルサカにあるザンビア大学経済社会研究所と連携をもちながら、現地調査の便宜と情報の集積・交換をおこなっています。

しかし、対象国が南部アフリカ全体にゆきわたっているため、一国集中型のFSと異なり、関係者がたえずFSを訪問するような体制にはなっていません。むしろ、南部アフリカ研究情報ネットワークとしての役割が活動の主なものとなっています。

研究テーマ:
「南部アフリカにおける社会経済変動と環境・地域住民の変容」

趣旨:
21世紀COEプログラムでは、「地球・地域・人間の共生」を統一テーマとして、文理融合をめざしたフィールド研究を推進してきました。その中で、ZFS活動を特徴づけるために我々が心がけている点は以下のようなものです。

一つは、個々のフィールド研究を、南部アフリカという特殊な磁場において見いだされたものとして、地域固有の文脈のなかでとらえていくことです。そのために、我々は「南部アフリカ地域研究会」を立ち上げ、南部アフリカの地域性を念頭においた議論を交わしています。

また、農村(地方)と都市、それをつなぐ人と経済の流れは、植民地時代から南部アフリカ諸国を強く特徴づけるものでした。現在の諸政策や開発論議は、この特徴を背景としてなされている事を忘れてはなりません。人々の考え方や感じ方、また近年の開発論で主流となっている「住民参加型開発」も、同じコンテキストの中で理解する必要がありそうです。

というのも、大資本による経済開発と地域住民・環境の変容は、地域住民にとって、周辺化と同時に包含を意味し、政策的には自然保護や貧困削減などを目的とした住民参加型持続的開発を軸に展開しているからです。

ZFSは、アフリカで現在主潮となっている開発論の基礎には、地域住民の生活を支えるための主体的な取り組みがあるとの観点から、国家機構のありかたと地域社会の変容、そしてその両者をつなぐ開発政策の構図を明らかにし、アフリカ発展論に寄与することを目指しています。

研究内容:
 南部アフリカを特徴づけるものは何でしょうか。その1つには、白人農場主の追い出しによるジンバブウェの経済崩壊をみるまでもなく、南アフリカのアパルトヘイト撤廃、ナミビアの独立以後も、経済的には依然として白人の強い影響下にあるということがあげられます。
 政治的民主化によって解かれた経済制裁と、世界的なグローバリゼーションの波にのって、南ア資本が周辺諸国に怒涛のように押し寄せています。近代的なショッピングモールの傍らで、伝統的なアフリカ人の都市、農村の生活が営まれています。この落差と変容をどのように理解し将来を見据えていくべきかを、個々のZFSメンバーはフィールド研究の主なテーマとしています。
 具体的な研究テーマとして取り組んでいるものは、「ナミビアの環境変動と自然保護・住民の関係」、「ブッシュマン再定住計画と住民の対応」、「マラウイ漁民の生業変容」、「ザンビア農村部の環境利用および社会経済変容」、「ジンバブウェ・ハラレの住民組織」など多岐にわたっています。
 住民はこれらの変動に取り込まれるだけの存在なのか、またこれらの変化を好機とみて戦略的な展開を試みているのか、あるいは柔軟に受け止めているのか。いずれにしろ、フィールドによる実証をまたねばなりません。ZFSは、これらフィールド研究の総合に努め、「南部アフリカの現在」を発信していきます。

ZFS拠点リーダー
荒木 茂


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