Zambia Field Station
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合討論
コメント1
 私たちは自分の研究成果を、フィールド人々が読める言葉で発表していくことが、非常に重要である。

コメント2
 アフリカの農村で人々は飢えたりせずになんとかやっているということを研究者がいい続けてきた結果、ODAなどでは農業に関する予算が減りつつある。研究者が何を言うべきかというのは、そういうところからも考えるべきだ。

コメント3
 なぜアフリカの人々にとって変化が、上から降ってくるものなのかといった構造的なものについて、またその降ってき方がどうなっているのか、ということにも目を向けることが重要だ。
 それぞれの発表はデータはしっかりとってあるが、結論部分をもっと磨く必要がある。データを変な風に使われることがないように、何を結論としているのか、もっと頭を悩ますことが必要だ。また同じ地域を対象として違う現象をとらえている場合、どのようにそれを全体のなかに位置づけていくのか、またそのコンテキストをどのように描き捉えていくのか、さらに検討が必要である。
 私たちは、片足を日本に置いた「他者」として、どうやって人々の生活と構造を結び付けていくのかを考えることも大事。フィールドを踏まえたうえで、構造に対して物申していく、なにかをよくしていこうということも重要だと思う

コメント4
 国際農業貢献という視点から、アフリカ版緑の革命を目指して色々と品種栽培したりしている。アジアの緑の革命では、高収量品種の研究がなされてきたが、アフリカでは耐乾性など、むしろ厳しい気候条件で安定的な収量確保のできる品種にニーズにあるようだ。その意味で、農業セッションの淡路さん・村尾さんの研究は非常に興味深いものであり、是非、国際機関に向けて在来種の研究をどんどん発表していって欲しい。
 他方、国際機関では、アフリカの農業制約打破を目的とした品種を開発しているのにもかかわらず、中々地元に根付かないというのが現状で、科学者も、アフリカの社会的な文化や制度を理解する必要性を感じている。東アフリカでの陸稲(ネリカ米)の普及にも、そうした社会制度研究の貢献度は非常に高いと思う。しかし、今日の発表では、皆さんの社会的な研究が、アフリカの開発戦略・農業技術普及とどういうふうに結びつくのか、という話は出てこなかった。皆さんの研究も、アフリカの開発を見越したものに発展していけば、もう少しアフリカ研究にも出口がみえる展開が期待できるのではないか。
島田回答
 実際、我々は、アフリカのフィールドから学ぼうとしてきたけれども、出口を探そうと意識してやってこなかった部分はある。今日の聴衆の皆さんは優等生で、こうしたフィールドの研究に理解してくださる方が多いけれど、いつも東京でアフリカ調査地農村の話をすると、「その村でそうだからといって、アフリカ全体の開発の話にどう繋がるのか」というコメントを受け、答えに窮することは多い。それも、出口と関連するかもしれない。

コメント5
 実際、東アフリカで調査してきても、技術や新品種の普及という問題は、非常に難しい問題であると感じている。それは地元の人の好みや技術に関する文化がかかわっているからだ。いつも調査の際、現地の人に目的を聞かれ、調査の結果が最終的にはアフリカの政府や調査機関によって有効に使われ、農村開発戦略の役に立てば、と答えることもあるが、いつも難しい問題と考えている。それでも、英語で書いて現地に還元するようなことが、第一歩だと思っている。

コメント6
 我々の調査地では、何となくアフリカがやっていけるような印象を受けてきた。しかし、アフリカの成長率やエイズの問題なんかを聞くと、実は抜き差しならない状況になっているのではないか。エイズといった問題にも、もっと目をむけていく必要があるのではないか。
島田回答
 グローバル化の時代において、ミクロ・レベルでアフリカの人々が変化を「飼い馴らしている」のか、激流に「翻弄されている」抜き差しならない状況なのかを捉えることは重要であるが同時に難しい。フィールドで見えるのは、人々が「うまくやっていく」さまだが、そこを強調しすぎると「うまくやらざるをえない、のっぴきならない事情」が見えにくくなる。そこが難しい。
中山回答
「のっぴきならぬ事情」を乗り切るために、「うまくやる」像を描く必要が生じる場合もある。
プログラム  WSトップ
日時:2006年2月18日 10:30 - 
場所:東京外国語大学本郷サテライト
共催:南部アフリカ研究会
共催:日本アフリカ学会関東支部

発表者感想
プログラム

開催に際して

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