Zambia Field Station
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ZFS Work Shop

ークショップの趣旨
2003年、21世紀COEプログラム「世界を先導する総合的地域研究拠点の形成」の一環として、ザンビアのルサカにフィールド・ステーションが設けられたことを契機として、私たちは京都大学南部アフリカ地域研究会を発足させた。そして、各自のフィールドでみられる現象を「南部アフリカ」というより広い地域のなかにどのように再定置するのか、さらに「南部アフリカ」という地域をいかにとらえるのかという問題を、私たちの共通の課題としてつよく認識するようになった。このような経緯を背景として、今回のワークショップ「『土地』から展望する南部アフリカ−自然を生き抜く、変化と向き合う−」は企画された。

今日の南部アフリカを俯瞰すると、ジンバブエにおける白人排斥運動をはじめとし、経済開発を目的とした大資本による土地の囲い込み、少数民族の土地権をめぐる問題、あるいは水や鉱物に代表される資源管理の問題など、この地域の問題の多くが「土地」をめぐって顕在化していることに気がつく。現代の南部アフリカを考えるときに「土地」という問題は不可避のものであり、「土地」は南部アフリカに共通するマクロな歴史的背景、あるいは政治経済的状況を如実に反映したものとして考えられる。実際に、南部アフリカの「土地」をめぐる議論は、こうした「土地問題」に焦点をあて、植民地時代に形成されたヨーロッパ入植地と先住者にあてがわれた居留地という土地保有区分と、独立・民主化後の土地改革の遅れをもたらした政治システムとの関連で分析される傾向が強かったように思われる。その分析に否定の余地はない。

他方、本ワークショップの発表者は、南部アフリカの先住者、いわゆるアフリカ系の住民が多く居住する地域において、長期にわたるフィールドワークに基づいた研究をすすめてきた。各発表者の主たる研究関心やテーマは多岐にわたるが、人々の生活の実態に即した研究であるという点においては共通している。そうした調査研究をとおして、私たちは、南部アフリカの「土地」を、大きな変容を余儀なくされながらも、人々が脈々と培ってきたローカルな社会システムとの関連から、とらえなおす必要性を強く感じるようになった。さらに今日の激動する南部アフリカの「土地問題」の本質をとらえるためにも、住民の日常生活に埋め込まれたものとして「土地」をとらえる視座が必要であると考える。

現在みられる「土地」と人々の関わり方は、土壌や気候といった生態的条件、それぞれの民族や地域社会が培ってきた制度や慣習などと、広く南部アフリカに共通する白人入植後の土地制度の展開、あるいはマクロな政治経済の変動の影響などが複雑に絡み合った結果であると考えることができる。その絡み具合はフィールドによってそれぞれ異なるが、私たちは自然科学と社会科学の視点と方法論をいかした分析によって、それらの要素をひとつひとつ解きほぐし、その関係性を明らかにすることを試みたいと思う。

私たちは、南部アフリカという地域像は、各地の個別の研究を積み重ね、比較検討することをとおして浮かび上がってくると考えている。その第一歩として、本ワークショップでは、3つの視点(セッション)から、南部アフリカの各地で暮らす人々が、どのように「土地」と向きあっているかという具体的な事実を出発点とし、南部アフリカの地域特性の把握に向けた議論をしたい。
発表者一同
日時:2006年2月18日 10:30 - 
場所:東京外国語大学本郷サテライト
共催:南部アフリカ研究会
共催:日本アフリカ学会関東支部

発表者感想
プログラム
総合討論

開催に際して

趣旨説明

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