渡航期間: 2003年7月20日〜2003年8月6日 派遣国:
ミャンマー、ラオス |
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出張目的 |
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オンサイト・エデュケーションと共同研究 |
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竹田晋也 (大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・東南アジア地域研究専攻) |
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活動記録 |
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7月20日(日) |
Kyoto − Yangon
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7月21日(月) |
Yangon − Pyay: 森林局にてうちあわせ。
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7月22日(火)〜24日(木) |
Paukkhaung: キャンプに宿泊して、SN村の調査。
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7月25日(金) |
Pyay − Nyaunpintha − Taungtwingy − Moeshwe − Yezin
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7月26日(土) |
Yezin − Toungoo: 林業大学でうちあわせ。
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7月27日(日)〜28日(月) |
Khetshar: 周辺で調査。
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7月29日(火) |
Toungoo − Bawnetgyi − Bago − Yangon
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7月30日(水)〜8月2日(土) |
Yangon: 森林局にてうちあわせ。ヤンゴンFSで現地セミナーを開催。
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8月3日(日) |
Yangon − Bangkok
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8月4日(月) |
Bangkok − Vientiane
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8月5日(火) |
ラオス国立大学林学部にてうちあわせと現地セミナーの開催。
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8月6日(水) |
Vientiane − Kyoto
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結果と進捗状況 |
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- (1)ミャンマーにおけるオンサイト・エデュケーション
- 今回は鈴木怜治さん(平成13年度第3年次編入学)・小野寺佑紀さん(平成15年度入学)とともにバゴー山地の調査地を訪れた。鈴木さんは「バゴー山地におけるタウンヤ式チーク造林の長期持続性
−過去100年間の生態環境の変遷−」を研究テーマとしている。昨年度に長期滞在調査を終えて、今回はその補足調査をおこなった。現地で議論できるのが「オンサイト・エデュケーション」の何よりの利点である。
- (2)ミャンマーにおける共同研究
- バゴー山地での森林利用に関する共同研究を進めている。バゴー山地では19世紀半ばよりチーク経営がはじまり、今日まで続いている。このような熱帯域での長期にわたる森林経営の例は、バゴー山地以外にはほとんど見られない。この森の経験を総合的に理解するために、ミャンマー林業大学とともに共同研究を行っている(科学研究費補助金基盤研究(B)「ミャンマー北・東部跨境地域における生物資源利用とその変容」)。植生・土壌・土地利用・植物利用などの調査をカバウン川流域で進めるとともに、バゴー山地の7カ所で気象モニタリングと年輪解析を開始した。共同研究の今年度の中間報告にはつぎのものがある。
- 鈴木怜治・竹田晋也, 2003「ミャンマーのタウンヤ式チーク造林の長期持続性 −土壌有機物の長期動態に与える野火の影響に着目して−」第13回日本熱帯生態学会講演要旨集:
62
- 福島万紀・神崎護・太田誠一・竹田晋也, 2003「ミャンマー・カレン族の伝統的焼畑における森林の再生過程」第13回日本熱帯生態学会講演要旨集:
63
- 落合雪野, 2003「カレン人によるジュズダマ属植物の利用 −ミャンマー、バゴー管区SN村の事例から−」第13回日本熱帯生態学会講演要旨集:
64
- 竹田晋也・鈴木怜治・サンルイン・フラマウンテイン, 2003「ミャンマー・バゴー山地におけるカレン焼畑のマッピング」熱帯農業47(別冊2):
81-82
- 鈴木怜治・竹田晋也・フラマウンテイン, 2003「ミャンマーのアグロフォレストリー −タウンヤの農作物間作期の土壌養分動態−」熱帯農業47(別冊2):
83-84
- (3)ラオスにおけるオンサイト・エデュケーション
- ラオス国立大学林学部に開設した21世紀COEフィールド・ステーションで現地セミナーを開催した。この詳細は岩田の報告を参照されたい。
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今後の課題 |
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マラリアなど調査地でのリスク管理が今後の課題である。今回、短期間滞在したPaukkhaungキャンプは、バゴー山地の中でも名高いマラリヤ汚染地だというので、蚊取り線香・虫除けスプレー・カヤなどで「蚊」対策にはかなり気を使ったが、帰国してすぐに鈴木さんがマラリアを発症して入院した。幸い大事には至らなかったが、彼は1年の内に2度もマラリアに罹ってしまった。
予備知識を身につけ、必要な薬を持参することを再度徹底する必要性を痛感した。 |
![](takeda_1.jpg) |
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![](takeda_2.jpg) |
宿舎の屋根に設置した雨量計の確認作業(チェシャ) |
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沢で汲んだ水を竹筒で運搬する(SN村) |
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