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今回の現地調査では、2005年7月〜2006年3月にかけて、マレーシア、クアラルンプール、ヌグリ・スンビラン州、ペラ州などにおいて、森林認証制度についてフィールドワーク、文献調査などを行った。
- 森林認証制度の制度的な枠組みが導入される過程、また実施の状況について、マレーシア政府公文書館、森林局、木材業界など関連機関において文献調査、聞き取り調査を実施した。
現在、マレーシアでは「マレーシア木材認証協議会(MTCC)」と「森林管理協議会(FSC)」の2つの認証機関による認証が行われている。
同国半島部北部ペラ州ベルム地域には、FSCに認証された約1万haの森林施業区がある。この森林施行区にて実施された年次審査に同行し、
持続可能な森林管理をおこなうための原則と基準の遵守状況についての審査をおこなうプロセスについて調査をおこなった。
- ヌグリ・スンビラン州では、地域住民であるオラン・アスリの村で森林利用に関するフィールドワークを行った。
村の近隣のゴム園やアブラヤシ園の開園に伴って、地域住民の生業空間であった森林は、これらの農園の間に散在する孤立林と居住地から離れた森林保護区とに分かれている。狩猟採集は、平日の午後や休日などに頻繁に行われており、狩猟の道具には吹き矢が多く使われていた。狩猟採集の場所には、村から近い、獲物を追いやすい等の理由から孤立林が頻繁に利用され、多様な動物が捕れる狩猟の場として、また食用や薬用の森林産物、矢毒などの有毒植物、儀礼用の樹脂など、孤立林にはない森林産物の採集の場として、依然として他に代替できない重要な生業空間でありつづけていることも明らかになった。