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エルサレム旧市街のパレスチナ社会における「物理的暴力」によらない占領と抵抗の両方に迫るために、フィールド調査に軸足をおいた実証的研究を
東エルサレムで行った。その結果、以下のことが明らかとなった。
- エルサレム旧市街のパレスチナ社会が把握する「占領下の諸問題」とそれらへの「対応」:
エルサレム旧市街のパレスチナ社会では、「税金」「居住権」などの
「物理的暴力」によらない占領政策とそれへの対応が最も大きな問題であることが明らかになった。これらは、日常生活に密接に関わる非常に具体的な問題である。
- 「占領地」である東エルサレムのパレスチナ社会での「物理的暴力」によらない占領と抵抗を研究するための分析枠組の提示:
東エルサレムのパレスチナ社会が把握する占領下の諸問題とそれらへの対応は、イスラエルの「占領地」であるという特殊性と密接に関連している。
東エルサレムのパレスチナ社会における「物理的暴力」によらない占領と抵抗を研究する際、「『エルサレム住民であること(Jerusalemites Identity)』の特殊性」が
分析概念として有効である。