報告
渡航期間: 2006年2月19日〜3月17日    派遣国: ナミビア
  出張目的
  ナミビア北部のサンとオバンボの関係史に関する資料収集、サンの社会的移動・言語的社会化に関する調査、コイサン諸語の知覚動詞や関連語彙に関する資料収集および研究打ち合わせ
  高田明 (大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・アフリカ地域研究専攻)

 

  活動記録
  2月19日(月)〜20日(火)
  • 関空発−香港、ヨハネスバーグ経由−ウインドフック着
      2月21日(水)〜25日(土)
  • ウインドフックにて、ナミビア北部のサンとオバンボの関係史に関する資料収集
      2月26日(日)
  • ウインドフック発−オニーパ着
      2月27日(月)〜28日(火)
  • オニーパにて、ハイオム、クンの社会的移動に関する調査

      3月1日(水)
  • オニーパ発−エコカ着
      3月2日(木)〜11日(土)
  • エコカにて、ハイオム、クンの言語的社会化に関する調査

      3月12日(日)〜13日(月)
  • エコカ発−オニーパ経由−ウインドフック着
      3月14日(火)〜15日(水)
  • ウインドフックにて、コイサン諸語の知覚動詞や関連語彙に関する資料収集および研究打ち合わせ
      3月16日(木)〜17日(金)
  • ウインドフック発−ヨハネスバーグ、香港経由−関空着

     

      結果と進捗状況
         ナミビア共和国において、研究の拠点形成および研究体制の確立のため、下記の活動を行った。ナミビア大学では、ナミビア大学のウィルフレッド・ハッケ教授、コーネル大学大学院のヨハンナ・ブルグマン氏、ハイデルベルグ大学のトーマス・ウィドロック講師をはじめとする研究者とナミビア北部におけるサンの人類学的研究に関する情報交換を行うとともに今後の研究を通じた相互交流について打ち合わせを行った。またナミビア北部で植生変化と地域住民による建材利用の変遷に関する研究を進めている藤岡悠 一郎(本研究科アフリカ地域研究専攻、平成14年度入学)の調査地を訪問し、調査手法および今後の調査方針に関する討論を行った。また、ナミビア国立資料館においてナミビア北部のサンと近隣農耕牧畜民オヴァンボとの歴史的関係に関する資料収集、土地・再定住・リハビリテーション省においてナミビア北部のエコカ村の環境史に関する資料収集、オニーパにおいてサンの社会的移動に関する調査、エコカ村においてサンの言語的社会化に関する調査を行った。

     

    エコカ村にて、ダンスに興じるサンの子どもたち

     

      今後の課題
     
    1. 多様な文化や歴史が交錯するナミビア北部では、学際的な協働を行っていくことが特に有効である。21世紀COEプログラムのこれまでの活動によって様々な専門・学派の研究者が連携した研究体制が確立されつつあるので、今後はその具体的な成果を公表していく必要がある。
    2. 今回の調査では、ナミビア国立資料館や土地・再定住・リハビリテーション省における資料収集には十分な時間が割けなかった。これに関しては今後より組織的な調査活動を行っていく必要がある。

     

     
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