報告
21世紀COEネットワーク関連成果報告
梅川通久 (大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・東南アジア地域研究専攻)

概要
  平成15年1月より3月まで、21世紀COE研究員として21世紀COEプログラム「世界を先導する総合的地域研究拠点の形成」における、ネットワーク関連の研究および整備を行った。この間の情報発信・ネットワーク整備、平成15年4月以降の継続活動に関して、研究・業務内容を報告する。

21世紀COEプログラム専用サーバの整備と研究科専用サーバの置き換え
  筆者の着任以前より木谷助手(東南アジア研究所)を中心として計画されていた、研究科メール・ウェブ等サーバマシンの置き換え、ファイアウォールマシンの置き換え、21世紀COE専用のメール・ウェブサーバ、グループウェア用サーバの導入作業を、2月より4月にかけて行った(研究科マシンについては、本格的な運用開始は9月)。
  研究科サーバ及び21世紀COE用サーバには、Sun Microsystems Sun Fire V120(Ultra SPARC IIi 650MHz)を導入し、この結果研究科サーバのハードウェア能力向上と、21世紀COEプログラム始動に伴うサービスや仕事量増大への対応が実現した。あわせてソフトウェアのバージョンアップ等も行い、OSを従来のSolaris2.6よりSolaris8に変更し、メール、ウェブ、セキュリティ関連のプログラムについても、整備作業時点で最新の版に変更した。また、メーリングリストツールやその他のセキュリティプログラムのインストールもあわせて行ったので、今後順次運用を開始する。
  同時に、研究成果の共有や発信、研究会などの情報交換の為、研究科全体規模でのグループウェアの導入を行った。 専用マシンとしてSun Microsystems製Sun Cobalt LX50を導入し、サイボウズ社製グループウェア、Share360v2をインストールした。現在まで試験運用を継続しながら、アフリカ地域研究専攻内で従来より使われているグループウェア、サイボウズOffice3とのデータ共有やユーザーの移行も含むこれまでの蓄積を生かした利用方法と新規の有効利用の方法について、検討を続けている。今後は研究情報の公開と共有、内外研究者間でのインフォーマルな情報交換、資料配布などの手段として、利用拡大が期待される。

21世紀COEプログラムウェブサイトの整備
  21世紀COEプログラム用専用サーバ上で、21世紀COEプログラムのウェブサイトの立ち上げを行い、3月より一般への公開を開始した。
  初期の立ち上げとコンテンツの確定までを筆者自身が行い、公開後の更新作業や装飾の改善作業は内藤さん(教務補佐員)に担当して頂き、現在まで継続している。
  ページ内では、プログラムの紹介、研究会情報、英語版"Field work Field talk"、フィールド・ステーション派遣報告、フィールド・ステーションのホームページ、メールマガジンのホームページ、などを掲載している。
  コンテンツの編集と内容に対する責任は21世紀COE広報部会が負い、ネットワーク担当者としては、安定した継続運用に主眼を置いた管理業務のみを行っているが、参考としてコンテンツの成果にも触れると、平成16年2月27日までの来訪者数は15600人以上、また10月より配信を開始したメールマガジンはこれまでに6号発行され、購読者は2月18日現在で597人にのぼり、研究者間の情報交換や一般への広報普及に大きく貢献している。

その後の継続的活動
  ここでは、21世紀COE研究員としての任期が終了した後に継続している活動に触れる。

ウェブ巡回データ収集
  ウェブデータ収集は、21世紀COEプログラムの一環として、ウェブを通じて広く公開されているアジア・アフリカの地域研究に関連するデータを収集し、本来ならば各サイトのデータ更新やサイト閉鎖などに伴って消え行くはずであるものを、全て蓄積する事がその目的である。当初より、著作権に関する問題等の議論を行っていたが、データの再公開などは行わず、収集のみをスタートする事で法的な議論には一応の区切りをつけ、平成15年の秋より試験的に複数のサイトのデータ収集を行う等、21世紀COE研究員としての任期終了後にも継続的に活動をしている。特に平成16年2月からは、専用PCの運用による定期的な自動収集の実験に入り、本格運用に向けて残る課題は、各サイトのホームからリンク先のどのレベルまで収集するか、対象サイトの選定、といった具体論のみとなった。

mapserverデータベース関連
  宋さん(21世紀COE研究員)が開発したmapserverをベースとした地図情報検索システムの管理運用を一時的に引き継ぐ為、システム構築や運用方式の研究を行っている。将来的には荒木教授(ASAFAS教員)が開発したGIS地図画像データシステムの蓄積データの一部をコピーし、より包括的なデータベース環境の構築を目指している。

その他
  筆者自身の仕事ではないが、他に"African Study Monograph"の電子化、AFROLAデータベース構築などの事業がネットワーク部会により継続されており、将来的な成果が見込まれている。

 
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