研究会報告: 公開フォーラム「GIS解析: 社会・環境研究への応用」

日時: 2003年5月15日(木曜日) 午後1〜5時

場所: 筑波大学・総合研究棟A・公開講義室

共催組織: 
筑波大学生命環境科学研究科
筑波大学環境科学研究科
筑波大学歴史・人類学系
京都大学21世紀COEプログラム:世界を先導する総合的地域研究拠点の形成(ASAFAS・CSEAS)
京都大学アフリカ地域研究資料センター

  近年、生態的・地理的な情報を解析する上で、RS/GIS(リモートセンシング・地理情報システム)解析が重要視されています。事実、地理学、生態人類学、地域開発学、環境モニタリングなどの分野で積極的に利用され、すぐれた成果をあげつつあります。しかしながら日本においては、そのような研究者が一堂に会して情報交換をする機会がすくないのが現実です。

  今回の研究会は、エチオピアで20年近く研究している久田信一郎さん(JICA専門家)と、GIS解析の専門家であるNeil Stuart博士(エディンバラ大学)、Moss Duncanさん(エディンバラ大学)の3名が来日(5月14日〜23日)されたことを機に企画されました。

  いうまでもなくエディンバラ大学は、世界的に有名なGISセンターを運営し、卒業生は世界各地で活躍しています。この研究会の立案者のひとりである安仁屋政武(筑波大学)さんも、以前に10カ月程この大学で研究したことがあります。こうした経緯により、この機会を利用してGIS解析に関わりをもってきた研究者が集まり、おおいに対話を促進しようという目的をもって、この研究会が企画されました。

  提供された話題は、以下のとおりです。


セッション1. 13:00-14:10(司会:安仁屋政武)

(1) Neil Stuart・Moss Duncan(エディンバラ大学)・久田信一郎(JICA専門家)
      「費用効果の大きいリモートセンシングデータを使った開発途上国における図化の信頼性の向上
      -エチオピア高原での森林資源の図化を例にして」
(2) 平野聡(筑波大学、歴史・人類学系)
      「ベースマップ:すべてのGIS空間解析を支えるもの」
(3) 荒木茂(京都大学、アジア・アフリカ地域研究研究科)
      「地域研究と画像解析・地理情報システム」

セッション2. 14:20-15:30(司会:佐藤俊)

(4) 立入郁(長崎大学、工学部)
      「1990年代終盤の異常降雨下におけるレンディーレランドの植生環境」
(5) 大山修一(東京都立大学、理学部)
      「ニジェールにおける牧畜民フラニの移牧ルートに関するGIS解析」
(6) 衣笠聡史(筑波大学、歴史・人類学系)
      「タンザニア・セレンゲッティ平原における先史遊動民の土地利用」
(7) 佐藤廉也(九州大学、比較社会文化研究科)
      「エチオピア南西部における焼畑民の土地利用と森林・サバンナの動態」
(8) C. M. Ndegwa(筑波大学、生命環境研究科)
      「1970年代以降のナイロビの都市発展に関するRS/GIS解析」

セッション3. 15:50-17:00(司会:内山田康)

(9) 守村敦郎(人間環境大学、人間環境学部)
      「アラル海の干上がりと植生変化のGIS解析」
(10) 竹田晋也(京都大学、アジア・アフリカ地域研究研究科)
      「ミャンマー国バーゴ山地におけるタウンヤ焼畑のマッピング」
(11) A. I. Turda(筑波大学、生命環境研究科)
      「プーラッグ国立公園(フィリピン)の1990年代における森林被覆の変化の解析」
(12) D. Sprague(独立行政法人農業環境技術研究所)
      「農村景観のGIS・RS解析」
(13) 後藤巌寛(山梨県環境科学研究所)
      「富士山麓溶岩帯における針葉樹林の形成におよぼす土地利用変化の影響」
(14) 小笠原輝(山梨県環境科学研究所)
      「養蚕の衰退と野生動物の村落への侵入」

 

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