21世紀COEプログラム研究会
アフリカ地域研究会

日時: 2004年1月22日(木) 15:00〜17:00

場所: 京都大学アフリカ地域研究資料センター
共同棟3階演習室 (京都市左京区吉田下阿達町46)

演 題: 「エチオピア南オモ地方の町、ジンカの社会経済的重要性 1957-1991年」

講 師: Dr. Abdussamad Ahmad(アジスアベバ大学歴史学科)

要 約: 
南オモ地方の都市化は、エチオピアの「辺境」において近年生じている 社会現象の一つである。エチオピア帝国の南西部のソマリや南東部のオロモと較 べて、この地域には活発な交易を担う人々はいなかった。1897年のメネリク皇帝 の南部征服に伴い、ナフテニャと呼ばれる北部出身の駐屯兵がこの地域に派遣さ れ定住するようになった。しかし、この地域の軍や警察の駐屯地は中央から地理 的に離れていたため中央からの影響力は弱く、かなり特異な社会的位置におかれ た。やがて、オモ川下流域の行政は、山間にあるバコの警察官として派遣された 駐屯兵たちに依存するようになっていった。バコは地理的に駐屯兵たちの活動の 障壁となる地形の場所にあり、また水の便も十分ではなかった。そのため、エチ オピア帝国の北の中心地から来た役人たちはゲレブ・ハマル・バコ地区の中心地 をアルガへと移した。アルガはのちに現地名を採用し、1957年以降ジンカと呼ば れるようになった。移民たちはその商業、宗教、狩猟の機会に魅せられ、エチオ ピア各地からジンカを目指した。時代はうつり、ジンカの平らな牧草地には小型 飛行機の離着陸ができる飛行場もできた。こうしてジンカは辺境の行政機関の所 在地という域を越え、市場としても相当な町になったのである。本発表では、20 世紀後半、このような歴史のなかでジンカに名声と繁栄をもたらしてきた様々な 要因について検討する。

この研究会は、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科と京都大学東南アジア研究センターが、2002年度から共同で遂行している21世紀COEプログラム「世界を先導する総合的地域研究拠点の形成」の研究活動の一環です。

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E-mail: kanako@jambo.africa.kyoto-u.ac.jp

 
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