21世紀COEプログラム研究会
アフリカ地域研究会

日時: 2004年6月5日(土) 13:00〜17:30
(御注意!曜日・時間が通常の研究会とは異なります)

場所:
龍谷大学深草学舎 2号館−305教室
京都市伏見区深草塚本町67
http://www.ryukoku.ac.jp/web/map/fukakusa.html
(御注意!会場が通常の研究会とは異なります)


演題(1):
「ケニア南西部のマラリアが多発する地域(グシイ)における生態学的な変化とマラリアのリスクについて」

講 師: イサク・K・ニャモンゴ博士 (ナイロビ大学アフリカ学研究所)

要 旨: 
ケニアではマラリア患者が病人の30%を占め,毎日70人以上 の子供がマラリアで死亡している。病気の流行地域ではその影響はもっ と悲惨なものとなる。グシイ地域ではマラリアにかかる人が増加してき た。そこで本研究では,過去30年間の環境変化と病気のパターンに関 する民族誌的な資料を収集し,この地域のマラリアによる負担の変化を 分析した。その結果,以下が明らかになった。過去30年間にわたって, 耕作地の面積が減少するのと同時に人口は爆発的に増加している。1970 年代には,政府のつよい推奨でこの地域に魚の養殖が導入されたが,養 殖用の池が放置されただけでこの事業は成功しなかった。またもっと最 近では,レンガ製の家が普及し,レンガ製作にたずさわる人が多くなっ た結果,マラリアを媒介する蚊の繁殖場所が増加してしまった。このよ うな土地利用パターンの変化は,マラリアが蔓延する状況を生んだ。こ うしたデータは,病気の流行地域における,地域に根ざした活動として マラリアのリスクの予測指標を作成するために利用できる。


演題(2):
「変貌するアフリカ議員の面々:女性とクォータ制」

講 師: アイリ・マリ・トリップ博士 (ウィスコンシン大学マジソン校)

要 旨: 
この40年間,サブ−サハラ・アフリカにおける女性の政治的 代表性は世界に例がない率で増加している。その主な理由の1つに, 様々な方式のクォータ制(一定の議席数をあらかじめ割り当てる方式) が広く採用されるようになったことがある。議会における女性のクォー タ制は,アフリカ諸国内部の女性運動ばかりでなく国際的な女性運動に も由来する。これらは女性の代表性についての国際的規範が変化しつつ あることの産物である。多党制の勃興および単一政党と結びついた女性 組織の衰退にともなって,新たな支援基盤を構築し,女性有権者にアピ ールする新しい象徴的方法を見つける必要が生じている。ムスリムが有 力ないくつかの国々では,イスラム主義者の影響力の増大を抑えるため に女性のクォータ制が用いられてきている。本発表では,女性の政治参 加の増加というより広い文脈の中でこれらの変化が起こっていると考 える。また,クォータ制を採用する国々の特徴,クォータ制を採用する 理由,クォータ制をめぐる論争のいくつかについて論じる。

この研究会は、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科と京都大学東南アジア研究所が、2002年度から共同で遂行している21世紀COEプログラム「世界を先導する総合的地域研究拠点の形成」の研究活動の一環です。

アフリカ地域研究会の案内をFAXおよびE-mail でお送りしています。
ご希望の方は下記にお知らせ下さい。

連絡先: 京都大学アフリカ地域研究資料センター、宮本可奈子
TEL: 075-753-7821 FAX:075-753-7810

E-mail: kanako@jambo.africa.kyoto-u.ac.jp

 
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