21世紀COEプログラム研究会
アフリカ地域研究会

日時: 2004年7月15日(木) 15:00〜17:00

場所:京都大学アフリカ地域研究資料センター
共同棟3階演習室 (京都市左京区吉田下阿達町46)
演題:「シエラレオネ紛争における民間人への残虐な暴力のアナトミー
──国家、社会、精神性── 」

講 師: 落合雄彦(龍谷大学法学部助教授 )

要 旨: 
  今日の武力紛争において、民間人が戦闘員による略奪・拉致・脅迫・強制労働・強姦・殺害といった多種多様な暴力行為の被害者となることは、 けっしてめずらしいことではありません。しかし、シエラレオネ紛争(1991-2002年)でみられた、戦闘員による民間人への広範な暴力行為は、そうしたごく一般的な理解や認識をときに凌駕するほどの残虐性を示しました。なかでも、民間人を拘束してその四肢や耳を半ば無差別に切断するといった暴力は、そうした残虐性を象徴的に示す行為であったといえます。
  本発表は、シエラレオネ紛争において展開された民間人への残虐な暴力行為を、国家(state)、社会(society)、そして精神性(spirituality)という3つの鍵概念を切り口として解剖しようとする、「肘掛け椅子研究者」としての私の試論です。なお、本発表は、拙稿「シエラレオネ紛争における一般市民への残虐な暴力の解剖学──国家、社会、精神性──」(武内進一編『国家・暴力・政治』アジア経済研究所、2003年所収)に基づいています。

この研究会は、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科と京都大学東南アジア研究所が、2002年度から共同で遂行している21世紀COEプログラム「世界を先導する総合的地域研究拠点の形成」の研究活動の一環です。

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連絡先: 京都大学アフリカ地域研究資料センター、宮本可奈子
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E-mail: kanako@jambo.africa.kyoto-u.ac.jp