日時: 2004年11月25日（木） 15：00〜17：00

場所: 京都大学アフリカ地域研究資料センター
共同棟（新館）3階共同講義室（307号室）
（京都市左京区吉田下阿達町46）

演題:「国家制度と『平等』の政治人類学−カメルーン・バムン王権社会の階層化と非階層化をめぐって」

講　師: 和崎春日（名古屋大学文学研究科教授）

要　旨: 

   国家社会は、社会が階層化され複雑化する社会だといわれる。そのなかで『平 等』がどのように志向されるのか。これがテーマである。現代国家はそこでの平等化 を謳っているが、さまざまな矛盾を抱えている。このとき、アフリカの伝統王国の国 家社会にある階層化と非階層化の実態を探ってみる必要がある。それは非中央集権的 な狩猟・採集民社会との対比からも、意味をもつ比較となるだろう。バムンの王国中 枢が優位な位置を占めるとき、どのような逆転装置がありうるのか、ないのか。現代 のカメルーン国家制度により伝統王国が周辺化されてしまうとき、どのような反転の 営みがありうるのか、ないのか。国家という制度を、最終的には、バムン王国の内と 外、伝統と現代、旧王国と新国家、といった「枠を超えた動き」の中で検証する動態 的な現代アフリカ人類学を志向したい。

この研究会は、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科と京都大学東南アジア研究所が、2002年度から共同で遂行している21世紀COEプログラム「世界を先導する総合的地域研究拠点の形成」の研究活動の一環です。

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