21世紀COEプログラム研究会
アフリカ地域研究会

日時: 2005年1月20日(木) 15:00〜17:00

場所: 京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科(京都市左京区吉田下阿達町46)     
東棟2階第一セミナー室(207号室)

演題:「ローカルな闘争をグローバルな用語で表現する: ガンベラ地方におけるエスニック・エンタイトルメントの政治学」

講 師: デレジェ・フェイサ(COE研究員、大阪大学)

要 旨: 
   ローカルな資源についての主張、さらには国家−社会関係についての再交渉を試みているディアスポラ・コミュニティにとっては、その問題をグローバルに認められた言説や権力の形式に関連づけることが、集団のエンタイトルメントの効果的な方略でありうる。ローカルな闘争を冷遇、人種主義、植民地主義、大量虐殺などのグローバルに認められた言説で表現することは、エンタイトルメントの政治学に新たな可能性を開くことにつながる。今日、特定の先住民の真正さ、また大量虐殺のような概念の定義と適用可能性については、しばしば活発な討論が行われている。だが、ある集団をそのように認識することは、その人々を国際法のもとに権利を追求するグローバルな主体とする手段になりうる。本発表では、この問題について北米におけるアヌアクのディアスポラ・コミュニティの事例研究を通して検討する。このコミュニティのメンバーの多くは、自らをエチオピア西部のガンベラ地方で猛威をふるった長期にわたる大量虐殺の犠牲者として描くことにより、国際的な支援を得たり、政治的正当性を高めたりしようと努めてきた。本発表では同時に、その過程での進歩的および退行的な側面、すなわち、国家の説明責任の新たな形、および隣人に対する排他的な風潮のそれぞれについても検討する。

この研究会は、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科と京都大学東南アジア研究所が、2002年度から共同で遂行している21世紀COEプログラム「世界を先導する総合的地域研究拠点の形成」の研究活動の一環です。

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連絡先: 京都大学アフリカ地域研究資料センター、宮本可奈子
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E-mail: kanako@jambo.africa.kyoto-u.ac.jp