21世紀COEプログラム研究会
アフリカ地域研究会

日時: 2005年6月30日(木) 15:00〜17:00

場所: 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(京都市左京区吉田下阿達町46)
東棟2階第1セミナー室(207号室)

演題: アフリカ経済開発の戦略と最近の変化

講 師: ジャン・クロード・マスワナ博士(京都大学経済学部・講師)     

要 旨: 
  1960年以降、アフリカの経済史は悲劇の古典的な定義にあてはまっている: 潜在能力が発揮されておらず、その帰結は惨憺たるものである。経済成長率は依然と して、まん延する貧困を縮小させるには十分でない。投資は抑制されたままであり、 経済構造を多様化させ、成長を加速させるための努力を制限している。1965-2000年に おける一人あたりの実質国内総生産の伸びは、平均すると、東アジアと太平洋地域で は年に5%を超え、ラテン・アメリカでも年に2%ほどである。これに対して、アフリカ では伸びがみられない。
  この悲劇がかなり注目されてきた一方で、そのような政策選択をもたらした理論的 な背景については調べられてきていない。いまだ明らかにされていない論点をめぐっ て、本発表では、開発経済学に継起的に現れてきた諸理論(おもに構造主義、基本的 ニーズ、新古典派理論)を、アフリカのお粗末な経済成果の原因であったという観点 から振り返ってみる。アフリカの経済成長に関わるこれまでの経験の重要な特徴は、 長期的な政策の一貫性を欠いてきたためにほとんど予測できないことにある。ここで 重要な問いは、これらの気まぐれな反・成長的な選択肢を選び取らせた政策選択を説 明するものは何か、というものである。本発表の主旨は、アフリカ諸国の発展のため の環境を形作るうえで、国家の開発戦略の策定作業を通じて、国際的な開発思想が 強力な役割を担ってきたというものである。

この研究会は、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科と京都大学東南アジア研究所が、2002年度から共同で遂行している21世紀COEプログラム「世界を先導する総合的地域研究拠点の形成」の研究活動の一環です。

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