21世紀COEプログラム研究会
アフリカ地域研究会

日時: 2005年10月20日(木) 15:00〜17:00

場所: 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
(京都市左京区吉田下阿達町46)東棟2階第一セミナー室(207号室)

演題: 完新世(1万年前−現在)におけるナミビアの気候変遷:地質的資料に基づくレビュー

講 師: クラウス・ハイネ博士(レーゲンスブルク大学地理学科教授/京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・客員研究員)     

要 旨: 
  ナミビアはおよそ南緯17-29°、東経12-25°に位置し、全長1320km、面積823, 680km2の大きな国で、陸地を大西洋と隔てる海岸線の距離はおよそ1570kmにものぼる。 気候は海岸近くでは非常に乾燥し、内陸に行くにしたがって半乾燥となる。残念なこと に、ナミビアにおける完新世の気候変化の証拠となるようなデータは乏しく、また地理 的にもまばらで、データとして不十分なものも多い。今回は、地質的資料や考古学的材 料を使い、古気候学的解釈に基づいて過去10000年のナミビアの気候変遷について概観 する。完新世初期は、現在に比べ、より湿潤な環境にあった。今より8000年前頃と 5000-3000年前には短い乾燥期があった。1000年前以降、寒流の表層温度は低下し、 約500年前以降のナミビアは、ナミブ砂漠およびその隣接地域において、以前より乾燥 状態となる。完新世初期と小氷期(約1350-1850AD)には、おそらく太陽の黒点活動の 変動との関係で、非常に大きく突発的な洪水が、より頻繁に生じた。

この研究会は、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科と京都大学東南アジア研究所が、2002年度から共同で遂行している21世紀COEプログラム「世界を先導する総合的地域研究拠点の形成」の研究活動の一環です。

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連絡先: 京都大学アフリカ地域研究資料センター、宮本可奈子
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E-mail: kanakojambo.africa.kyoto-u.ac.jp