21世紀COEプログラム研究会
アフリカ地域研究会

日時: 2005年12月15日(木) 15:00〜17:00

場所: 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
(京都市左京区吉田下阿達町46)東棟2階第一セミナー室(207号室)

演題: 理想と現実のはざまのチュニジア女性

講 師: オムリ・ブージッド(関西学院大学総合政策研究科研究員)

要 旨: 
  本発表では、チュニジアの男女平等について、法律(理想)と地域的社会階層間の差異(現実)、つまり都市の女性と地方の女性のギャップに光をあてつつ、 その2重構造を説明し、このギャップをうめるための政策を提言する。
  チュニジアはフランスから独立(1956年)後、法律や社会の改革を行い、特に女性の権利を強調し、社会への女性の参加を促すなど、イスラーム国家である政府の世俗化を推し進めた。しかし、これらの改革にもかかわらず、地方女性は男女平等に不利な状況にあることが明らかになった。都市部と地方女性の様々な統計およびインタヴューを分析することによって、このギャップを描き出す。そして、この不利な状況を改善する政策を提言してゆくが、男女平等のための根本問題は教育であるとし、教育政策にポイントを置き提言する。提言は、アラブ・イスラームに固有な女性に対する因習や習慣に配慮しながら、(1)家事労働の軽減、(2)近距離での学校の設立、(3)就学に伴う出費の軽減、(4)電気、水道料金の低額化、(5)地方女性のモデルとなる女性の設定、(6)放送教育と政府のキャンペーンの実施、(7)その他、について説明する。

この研究会は、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科と京都大学東南アジア研究所が、2002年度から共同で遂行している21世紀COEプログラム「世界を先導する総合的地域研究拠点の形成」の研究活動の一環です。

アフリカ地域研究会の案内をFAXおよびE-mail でお送りしています。
ご希望の方は下記にお知らせ下さい。

連絡先: 京都大学アフリカ地域研究資料センター、宮本可奈子
TEL: 075-753-7821 FAX:075-753-7810
E-mail: kanakojambo.africa.kyoto-u.ac.jp