21世紀COEプログラム研究会
アフリカ地域研究会

日時: 2006年6月15日(木) 15:00〜17:00

場所: 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
(京都市左京区吉田下阿達町46)東棟2階第一セミナー室(207号室)

演題: 南アフリカの社会政策形成における市民社会組織の役割

講 師: 牧野久美子(日本貿易振興機構アジア経済研究所)

要 旨: 
本報告では、南アフリカの社会政策形成をめぐる政治過程を検討する。
具体的な事例としては、民主化後の南アフリカが直面している二大課題ともい
える社会保障政策(貧困・失業対策)とエイズ政策をとりあげる。民主化後、
とりわけムベキ政権(1999年〜)のもとで、大統領府への権限集中がすすみ、
党内の規律を重視して異論を抑圧する傾向が強まっていること、全体として民
主主義の参加的側面が弱まっていることがしばしば指摘されている。しかし、
本報告でとりあげる社会政策をめぐっては、市民社会組織が政府/ANCの方針に
異議を唱え、代替的な政策提案を行ったことにより、活発な政策論議が展開さ
れた。その結果として、ある程度は市民社会組織の要求が反映され、政府/ANC
の方針修正・転換につながったと評価することができる。その過程で市民社会
組織が利用できた資源は何であったのか、そしてどのような制約や限界に直面
したのかについて考察したい。

この研究会は、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科と京都大学東南アジア研究所が、2002年度から共同で遂行している21世紀COEプログラム「世界を先導する総合的地域研究拠点の形成」の研究活動の一環です。

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E-mail: kanakojambo.africa.kyoto-u.ac.jp