研究会
「インドネシア・マカッサル海峡スプルモンデ諸島における
ムスリム女性の日常生活とメッカ巡礼」


話題提供者: 浜元聡子(京都大学東南アジア研究センター非常勤研究員)
日時: 2003年9月26日(金) 18:00
場所: 京都大学東南アジア研究センター 東棟2F教室

マカッサル海峡には、無数の有人島が点在する。17世紀以来、東インドネシア地域へ
向かう漁業活動や商業活動によって生計が営まれてきた。寄港先で新しい関係を築く
際にも、古くからの信頼を維持していくのにも、欠かせない条件はメッカ巡礼の経験
があり、そのことによって尊敬を得ることだと考えられてきた。では巡礼の経験は、
この島々の社会内部において、どのような意味を持つのだろう。本報告では、ある島
の女性の日常生活世界に注目する。その日常生活世界における、伝統的な儀礼の場面
や日常生活の場面で、巡礼経験がどのような作用を与えるものであるかを検討する。
巡礼を実現させるためのプロセスは、小商いから始まって、資本金が増えるにつれ商
う品目も変わっていく。宗教的に熱心であることと巡礼に行きたいという気持ちの間
には、大きな隔たりがある。この隔たりを、島の内部における巡礼経験者の社会的位
置づけを手がかりに、明らかにしようとする。

 

これは、「京都人類学研究会」の9月例会です。
 
 
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