研究会報告: 「インドネシア地方社会のミクロロジー」
共催組織: 
(国立民族学博物館地域研究企画交流センター、京都大学東南アジア研究センター、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 連携研究「地域連関の構図」)

日時: 2003年6月21日(土) 10:30〜18:30
会場: 京都大学東南アジア研究センター 東棟2階 第1教室

講師・題名・発表内容:

  • 福岡正太(国立民族学博物館博物館民族学研究部)
    「地方分権化の中のスンダ芸能」
    インドネシア西ジャワ州における地方行政システムや文化政策の変化がスンダ芸能にどのような影響をおよぼしつつあるかを考察した。
  • 鏡味治也(金沢大学文学部)
    「バリにおける村落行政/自治の現状」
    西スマトラ州アガム県の例と比較しながら、バリ州において県ごとに制定された新たな地方条例が村落レベルでの社会生活をどのように変化させつつあるかを明らかにした。
  • 中川 敏(大阪大学大学院人間科学研究科)
    「内の財と外の財――エンデにおける贈与・送金・援助」
    中部フローレスのエンデ人の社会の基本的枠組みを説明した後、出稼ぎ者からの送金や世銀からの拠出金にもとづいて村落社会に投下される資金が、エンデ社会の枠組のなかにどのように翻訳され、また、それをどのように変化させつつあるかを考察した。
  • 杉島敬志(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
    「現在を理解するための歴史研究――中部フローレスの土地、慣習法、首長」
    19世紀末からスハルト政権期までの土地をめぐる慣習法の変化をたどり、慣習法がどのような現状にあるかを明らかにするとともに、慣習法をめぐる政策のあるべき姿を模索した。
科学研究費補助金による研究プロジェクト「スハルト政権崩壊後のインドネシア地方社会に関する文化人類学的研究」(研究代表者:杉島敬志)のメンバーが過去2年間わたりインドネシアでおこなったフィールドワークの成果を報告するとともに、地域研究にかかわる研究者および院生が集い、報告内容について討議をおこなった。

報告: 杉島敬志

 

戻る