研究会 「森をめぐる権利:ポスト・スハルト期の国家と民族集団」

日時: 2003年7月10日(木) 13:30〜15:30
会場: 京都大学東南アジア研究センター 共同棟3F

話題提供者: ヘダール・ラウジェン(Hedar Laudjeng)氏

スハルト退陣以降、インドネシア各地で自然資源の管理をめぐり新たな紛争が起こっています。特に、スハルト時代、半ば強制的に「国有林」とされた多くの森林に対し、慣習社会(masyarakat adat)がその権利を主張する動きが活発化しています。民主化、地方分権化が進むなか、森をめぐる権利は、中央政府、地方政府、慣習社会、NGO、国際援助機関などさまざまなアクター間の力学のなかにあります。ヘダールさんは、中スラウェシ州のカイリ族の出身。国立タドゥラコ大学法学部卒業後、慣習社会の権利擁護の活動をしている法律家です。地元中スラウェシでは、スハルト時代、住民に請われ村長を勤めた経験をもち、現在は自ら法律扶助団体を立ち上げて活動されています。ヌサンタラ慣習社会連合(AMAN)、自然資源管理問題を主に扱っている法律家ネットワーク(HUMA)、土地改革コンソーシアム(KPA)などNGOの全国ネットワークにも関わっておられます。弁護士・元村長・NGO活動家の顔を持つヘダールさんは、今回、大阪市立大学法学部50周年記念の国際学術シンポジウム「グローバル化の時代における法律家の社会的責任」に招かれて来日されました。この機会に、スハルト退陣後、森林をめぐりどのような軋轢・力学が生まれているのか、ご報告いただきたいと思っています。報告はインドネシア語で行われます。通訳は、京都大学・アジアアフリカ地域研究研究科の島上宗子さんにお願いしました。インドネシアの住民組織についての研究歴がながく、スラウェシでも地域振興にかかわる活動をされています。参加は自由です。多数の方のご参会を期待しています。
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