研究会
「日系アメリカ人キリスト教女性のアイデンティティ交渉−『主人の道具』を流用していかに自らの家を再建できるか?−」


話題提供者: 黒木雅子氏 (京都学園大学)
日時: 2004年1月26日(月) 16:00〜18:30
会場: 京都大学東南アジア研究センター 東棟2Fセミナー室

日系アメリカ女性は内的植民地状況のなかで、少なくともエスニシティとジェ
ンダーによって他者化されてきた複合マイノリティである。これまで彼女たちをはじ
めとするエスニックマイノリティのアイデンティティは、人種やエスニシティを中心
に、ジェンダーや階級を追加するアプローチのなかで、単一、固定的、しかも「被害
者」として否定的にとりあげられてきた。しかし彼女たちの多様な経験を理解するた
めに、追加アプローチ(additive approach)ではなく、エスニシティ、ジェン
ダー、階級、宗教を相互に影響しあうシステム(interlocking system)でとらえる
ことが必要である。本報告では、家父長制や白人至上主義の「道具」と言われるキリ
スト教やフェミニズムを流用して、自分たちの居場所をつくりだす日系アメリカキリ
スト教女性に焦点をあて、いかに「日系アメリカ人であること」「女であること」
「クリスチャンであること」と交渉しようとしているかさぐっていく。

コメンテーター: 窪田幸子氏 (広島大学)

これは、「民族間関係・移動・文化再編」研究会の第16回です。

問い合わせ先:
林 行夫(075-753-7359)hayashi@cseas.kyoto-u.ac.jp
速水洋子(075-753-7336)yhayami@cseas.kyoto-u.ac.jp
柳澤雅之 (075-753-7345) masa@cseas.kyoto-u.ac.jp

 
 
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