研究会
「東南アジアにおける土地利用変化が降水・気候変動に与える影響- これまでの研究および将来のブレイクスルーへ向けて -」


話題提供者: 鼎信次郎(総合地球環境学研究所)
日時: 2004年6月8日(火) 
16:00〜18:00
場所: 京都大学東南アジア研究所 東棟207教室

  この会に呼んでいただけた契機となったであろう「タイにおける森林伐採が降水変化に与える影響」に関して、まず発表を行ないたいと思う。具体的には、タイではこの数十年の間、土地利用の変化が著しいが、その影響が9月という特殊な季節にのみ降水の減少として現れていることを、領域気候モデルによる数値シミュレーションと観測降水量の解析を組み合わせることによって”発見”し、東南アジアモンスーンにおける9月の特殊性と結びつけたものである。

  実はこの研究は、数年前に論文としてまとめたあと停止している(させている)。そこで続いて、どうしてその研究を停止させ現在は違う道を進むことを選択しているか、について述べたい。具体的には、「土地利用の変化が降水や気候の変動に与える影響」に関する現在の研究の、特に数値モデル的研究の問題点を述べ、将来の新たなブレイクスルーへと至る道についての最近の世界の動向や私見を述べたい。その一部として、東南アジアは年々の降水の変動が大きく、その社会へのインパクトも大きいわけだが、地表面状態が降水予測に与える影響についての議論も、土地利用変化の与える影響研究との議論に関連させて述べたいと思う。最後に、地球研で我々が進めつつあるタイでの水紛争の話題にも触れたい。

これは、「東南アジアの自然と農業研究会」第116回定例研究会です。

問い合わせ先:

星川圭介 総合地球環境学研究所
Tel. 075-229-6155 / e-mail: hoshi@chikyu.ac.jp

田中耕司 京都大学東南アジア研究所
Tel. 075-753-7307 / e-mail: kjtanaka@cseas.kyoto-u.ac.jp

 
 
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