このような「山地」vs.「平地」という地域空間の対置にもとづく二項対立は、あくまでも静的ないし固定化したモデルであり、地域研究の精緻化にともなって総合的な再検討の時期を迎えています。本研究会では、主に以下の三つの問題を中心としながら「山地」vs.「平地」パラダイムのバージョンアップを試みるものであり、トランス・ディシプリンに加えて、トランス・リージョナルな視点から、他地域への汎用性の高い議論を目指すものです。
1)嶼部東南アジア社会へのモデルの適用性
2)国民国家形成のもとでの「山地」/「平地」関係の動態的変成
3)東南アジアをこえた他地域(スラブ、アフリカ、アメリカス等)へのモデルの汎用性 |