研究会
「東南アジアにおける [ 山地 vs.平野 ] の構造的理解をめざして」


日時: 2005年3月15日(火) 13:30〜
場所: 京都大学東南アジア研究所 東棟2階セミナー室
「山地」と「平地」という二項対立にもとづく社会編成の比較考察は、タイをはじめとする東南アジア大陸部研究において行われ、以下のような地域・生態・社会に関する複合モデルが提出されてきました。

平地 山地
政治的中心
国家
開発
灌漑集権社会
大伝統(文明)
定着農耕(水稲)
単系出自集団
世界宗教
政治的周辺
少数民族
低開発
環境依存的小社会
小伝統
焼畑移動耕作(陸稲)
双系的親族範疇(キンドレッド他)
アニミズム

このような「山地」vs.「平地」という地域空間の対置にもとづく二項対立は、あくまでも静的ないし固定化したモデルであり、地域研究の精緻化にともなって総合的な再検討の時期を迎えています。本研究会では、主に以下の三つの問題を中心としながら「山地」vs.「平地」パラダイムのバージョンアップを試みるものであり、トランス・ディシプリンに加えて、トランス・リージョナルな視点から、他地域への汎用性の高い議論を目指すものです。

1)嶼部東南アジア社会へのモデルの適用性
2)国民国家形成のもとでの「山地」/「平地」関係の動態的変成
3)東南アジアをこえた他地域(スラブ、アフリカ、アメリカス等)へのモデルの汎用性

ディスカッサント:
田中耕司、河野泰之、速水洋子、石川登(京都大学東南アジア研究所)、祖田亮次(北海道大学文学部)、横山智(熊本大学文学部)、高倉浩樹(東北大学東北アジア研究センター)、市川昌広(総合地球環境学研究所)など

 

 

これは、「トランス・ディシプリン研究会」です。

この研究会は自然系、社会系などの文理の垣根、さらには個別のディシプリンを越えた視点から、東南アジアにおける「山地」vs.「平地」という空間の概念的対置から考察可能なさまざまな問題を構造的に理解することが目的です。今回は初めての集まりということもあり、研究成果の発表というよりも、むしろこれからの研究の作戦会議的なブレーン・ストーミングをめざします。お気軽にご参加ください。

呼びかけ人:
石川登(京都大学東南アジア研究所)
ext.7331

 
 
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