研究会
「中国農村金融の再建を求めて−農村金融の現状と改革の視点−」


日時: 2005年12月19日(月) 16:00〜18:00
発表者: 陳剣波(中国国務院発展研究センター・研究員、現・アジア開発銀行研究所・客員研究員)
場所: 京都大学東南アジア研究所E207(東棟2F会議室)

中国の農村では、農家や郷鎮企業などの資金需要があるにもかかわらず、国有商業銀行や農村信用合作社、郵便貯金などを通じて、莫大な資金が都市部門に流出している。1980年代半ば以降、地方末端政府の主導のもとに設立された農村合作基金会は、高利での預金集めと融資を行い、ある程度農村における資金不足を補った。しかしながら、中国人民銀行(中央銀行)は一貫して農村合作基金会を正式な金融機関とは認めず、不良債権問題が深刻化したこともあって、1999年にこれを閉鎖した。農村信用合作社は、もともとは農民の出資による協同組合的金融機関であったが、最近の制度改革の結果、沿海部を中心に商業銀行への改組が進んでいる。これらの結果、中国では農家や農村企業に対する資金供給を行う金融機関が欠落しており、農家は資金需要をインフォーマル金融に頼らざるを得ない現状がある。本研究会においては、実際に中国における農村金融改革方案の作成に携わった陳剣波氏より、中国農村金融の実情と今後の改革の方向に関する報告がなされる。

この研究会は、「農業経済と地域研究」も兼ねております。

 
 
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