ミャンマー中東部、サルウィン川流域に含まれるインレー湖流域(5,300平方km)では土壌浸食と土砂堆積が古くから指摘されており(例えば、 Thompson, 1944)、流域のもつ経済面、自然環境面、文化面の重要性から、それらが地域レベル及び国家レベル双方の問題として認識されている(Forest Department of Myanmar, 2002;Furuichi, 2004)。本報告では、現地踏査による試料・データ収集を基本に、土壌・土砂の化学分析、河川の水文観測、湖底・デルタ堆積物の年代測定から、同流域の土壌浸食と土砂堆積のプロセスと歴史を解明中である(2004.01〜2007.05(予定))。発表では、中間データに基づき、河川土砂の起源地及び支配的な浸食プロセスの特定、土砂堆積速度と堆積場の特徴、及び堆積現象(問題?)に関する地域での視点の整理を中心に紹介する。
この研究会は、「国家・市場・共同体」研究会です。