【はしがき】
本報告は、平成14年度から18年度にわたって実施された21世紀COEプログラム「世界を先導する総合的地域研究拠点の形成」(副題:フィールド・ステーションを活用した臨地教育研究体制の推進)の最終報告書である。プログラムの目的と活動内容、成果についての概要が紹介され、巻末の「添付資料」には、教員・若手研究者・大学院生の研究業績や研究会活動の記録、そしてプログラムの中核である海外のフィールド・ステーションにおける活動記録等がまとめられている。
京都大学では平成5年から8年にかけて重点領域研究「総合的地域研究の手法確立」が実施されたが、この計画は「総合的地域研究の概念と方法論」に関する議論を刺激し、地域研究の「学」としての形成にとって大きな貢献があった。また、平成10〜14年度には、特別推進研究(旧COE )「アジア・アフリカにおける地域編成―原型・受容・転成」が実施され、主に地域研究関係の情報資料基盤の整備とネットワーク形成が行われた。今回の21世紀COEプログラムは、これらの先行プログラムを通して蓄積された研究資源をより発展させるとともに、それを先導的な地域研究者育成のための教育資源として活用することを企図したものである。
周知のように21世紀COEプログラムは、「我が国の大学に世界最高水準の研究教育拠点を学問分野毎に形成し、研究水準の向上と世界をリードする創造的な人材育成を図るため、重点的な支援を行い、もって、国際競争力のある個性輝く大学づくり推進すること」を目的としたものである。 |