日本側からは、服部さんと四方かがりさん(平成12年度入学)が話題を提供し、木村大治(ASAFAS教官)と大石高典さん(京都大学理学研究科、大学院生)が討論に参加した。カメルーン側からはWWF,GTZ,MINEFのメンバーをはじめ,ローカルNGOの関係者,聖職者,ヤウンデ大学の大学院生も参加した(大学院生Njounan
Olivier氏は本年9月にセミナーで発表をおこなっており、その内容をアフリカ地域研究資料センターの研究誌African Study Monographsに論文として投稿したいとのことで、投稿の段取りについても話し合った)。発表時の聴衆は最大時で20人を超えており、通算すると30人程度は来ていただろう。女性も4名ほど参加していた(写真2)。
服部さんの発表の表題は、"Nature Conservation Project
and Hunter-gatherers' Life in Cameroonian Rainforest"であった(写真4)。発表ではまず、バカの生活について生業活動、食事、物質文化の視点から分析し、彼らの生活における森の位置づけを明らかにした(写真5)。そのデータをもとに、保護区のゾーンニングとバカ・ピグミーの実際の土地利用形態のずれ、保護に際しての狩猟規制とバカの狩猟活動のずれを指摘し、バカの生活の実情に合わせて自然保護計画を練り直す必要性を指摘した。
四方さんの発表は"Sustainable Plantain Production by Shifting
Cultivation in the Secondary Forest of Southeastern Cameroon"という表題であった(写真6)。農耕民バンガンドの、プランテン栽培を中心とした焼畑農耕の体系を記述した後、その体系が、森林の持続的な利用を可能にしている、というのが発表の趣旨であった。