「コーヒーを待ちながら」 西真如 (21COE研究員)
ここはエチオピアの南部州、グラゲ県。インタビューのため知りあいの農家を訪れると、いつものようにコーヒーを沸かしてくれます。いろりに薪をくべると、コーヒー豆を洗って薄い鉄板の上で煎り、臼でついて粉にします。そして大きな素焼きのポット(写真中央)に湯を沸かし、煎った豆を入れてゆっくり煮出します。中国製の小さなカップにコーヒーが注がれるまで、小一時間はかかるでしょうか。
子どもたちは不意の客にちょっと緊張気味で、壁に張りついてコーヒーが沸くのを待っています。一歩そとへ出れば人なつっこい子どもたちですが、家の中では「客人に失礼の無いように」と、かなり厳しくしつけられているようです。壁には彼らのお姉さんが丹念に作った編み物や、国産ビールのポスターなどがセンス良く配されています。
コーヒーポットが盛んに湯気を吹きだすと、最後にたっぷりのバターと塩を入れて、コーヒーがふるまわれます。