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大学院アジア・アフリカ地域研究研究科アフリカ地域研究専攻
島田周平更新日:2006年07月10日
 研究課題:
アフリカの農村社会の脆弱性と環境問題
現在興味を持って取り組んでいる問題は、アフリカ小農生産地域の環境問題である。アフリカの農民たちは、自然的災害や社会経済的変化に様々な方法で対処している。間植・混栽といった耕作レベルでの対応から血縁ネットワークの動員、さらには近代政治や外国の援助の活用まで対処の方法は多様である。農民達は豊富な知識と、多様で巧みな対処方法を持っている。しかし彼らの巧みで必死な対処行動が、農業生産の持続的発展に結びつかず、時として農家世帯や農村社会の脆弱性を増大させていることがある。とりわけ大きな政治経済的政策の変化の中では、農家世帯や農村社会の脆弱性増大が予期せぬ速度で起きることがある。脆弱性の増大は、彼らの農業生産に影響を与えるばかりでなく、農村部の環境破壊にもつながる。このような問題意識から、アフリカの農村部で聞き取りをもとに農業生産の実態を詳細に調査し、この農村調査で得られた結果を、マクロな社会経済状況の変化との関連で捉え直し、より「構造的」に分析するよう試みている。現在行っている農村調査は、ナイジェリア、ザンビア、ブルキナ・ファソである。
 主な研究業績:
  • 島田周平. 1999. 「新しいアフリカ農村研究の可能性を求めて―ポリティカル・エコロジー論との交差から―」 池野旬編 『アフリカ農村像の再検討』205-254.
  • Shimada, Shuhei. 1992. Economic change and labor migration in rural Nigeria. Geographical Review of Japan 64(2): 79ー97.
  • 島田周平. 1992. 「地域間対立の地域構造―ナイジェリアの地域問題―」 大明堂, 237p.
  • Shimada, Shuhei. 1989. Regional problems in Nigeria Sci. Repts., Tohoku Univ., 7th Ser. 3(2): 59-85.
  • 島田周平. 1989. 「70年代以降ナイジェリアの農村社会変容の一断面―労働力移動に見るエビヤ村の事例から―」『人文地理』 41(4): 27-49.
  • 島田周平. 1981. 「英国人行政官の北部ナイジェリア好みの源泉をもとめて―19世紀植民地化過程の一断面―」 『アフリカ研究』20: 33-52.
 2002年度10月以降の研究業績:
    【著書・論文】
  • 島田周平. 2005. 「[過剰な死]が農村社会に与える影響」高梨和紘編 『アフリカとアジア−開発と貧困削減の展望−』慶應義塾大学出版会, pp.89-114
  • 島田周平. 2004.「書評:杉村和彦著 アフリカ農民の経済−組織原理の地域比較」『文化人類学』69(3): 460-465.
  • 島田周平. 2003. 「移住農民の生き方―ザンビアの村に住むジンバブウェ農民の戦略―」 『アフリカの力』京都大学.
  • 島田周平. 2003. Impact of infectious disease on agricultural production in Zambia: dispersion of vulnerability through a mutual help system. 島田周平編『アフリカの農村貧困問題に関する社会経済史的研究』(平成12年度-14年度科学研究費補助金研究成果報告書 228p)197-213.
  • 島田周平. 2003. 「アフリカの「日常的環境破壊」−農民が直面している環境問題」『地理』48(10): 48-57.
  • 島田周平. 2003. 『高校生の地理A−くらし・世界・未来−』高等学校地理歴史科用教科書 帝国書院(主として第3部 宇宙船地球号にのって−地球的課題−担当)
  • Shimada, Shuhei. 2003. The impact of HIV/AIDS on agricultural production in Zambia. The African Geographical Review 22: 73-78.
  • 島田周平. 2003. 「アフリカの村で考える環境問題」 (フォーラム) 『人文地理』55(2): 89-91.
  • 島田周平編著. 2003. 「アフリカの農村貧困問題に関する社会経済史的研究」 『平成12年度‐14年度科学研究費補助金研究成果報告書』228p.
  • 島田周平. 2002. 「サヘルの旱魃」『地理・地理資料』2002(8): 22-23.
  • 島田周平. 2002. 「サヘルの農民の知恵と砂漠化」『地理・地理資料』2002(8): p.24
  • 島田周平. 2002. 「森とサバンナ―アフリカの農業―」 『NHK教育セミナー: 世界くらしの旅2002年度』 日本放送出版協会.
  • 島田周平. 2002. 「アフリカの村で考える環境問題」 『地理学―21世紀の世界へ―』(人文地理学会 公開セミナー) 49-55.
  • 島田周平. 2002. 「ザンビアにおける移住農民の悩みと対応」 小倉充夫編 『南部アフリカにおける地域的再編成と人の移動』 1999年度-2001年度科学研究費補助金研究成果報告書 (津田塾大学) 13-30.


  • 【口頭発表】
  • 島田周平. 2005. 「アフリカ農村社会の脆弱性について」総合地球環境学研究所セミナー (京都, 地球環境学研究所, 2005.2.14).
  • 島田周平. 2004. 「農村社会における「過剰な死」の影響について」アフリカ日本協議会 (AJF)食糧安全保障研究会第5回セミナー(東京, 東京外大サテライト校舎, 2004.11.13)
  • 島田周平. 2004. 「アフリカの中のナイジェリア」総合政策研究所研究会(東京, 自民党本部, 2004.6.14)
  • 島田周平. 2004. 「アフリカ農民のポリティカル・エコロジー」日本大学生物資源科学部 大学院特別講義(湘南, 日本大学, 2004.6.11)
  • 島田周平. 2004. 「アフリカにおける人間の安全保障」日本学術振興会 人文・社会科学振興のための研究事業プロジェクト:「人間の安全保障学」の構築プロジェクト(東京, 学士会館, 2004.1.10)
  • 島田周平. 2003. 「アフリカ農民の脆弱性と環境問題」総合地球環境学研究所「貧困と環境資源管理」インキュベーションセミナー(京都, 総合地球環境研究所, 2003)
  • 島田周平. 2002. 「アフリカの村で考える環境問題」人文地理学会公開セミナー:21世紀の人文地理学研究報告(京都, キャンパスプラザ京都, 2002. 12.14)
  • 島田周平. 2002. 「激動の時代の地理教科書−アフリカから考える−」大阪教育大学地理学会 地理教育部会10月例会(大阪, 大阪教育大学, 2002.10.12)
  • Shimada, Shuhei. 2002. Impact of high rate of death on agricultural production in Zambia: Dispersion of vulnerability through mutual help system. 2002 International Geographical Union (IGU) Commission on the Sustainability of Rural Systems, Durban Conference.(Durban, International Conference Centre, 2002.8.6)