ネットワーク構築プロジェクト

統合情報化部門・ネットワーク部会では、地域研究に関するネットワーク構築のため、下記のようなプロジェクトを推進しています。これらは、「地域研究統合情報化センター」の担うべき機能の基盤形成をめざす ものです。
ASCOM
東南アジア地形情報データベース
ウェブアーカイブ
タイ語三印法典プロジェクト
映像資料デジタル化(PhotoCD)
Human Ecology Files
AFLORA
地域研究画像データベース
ストリーミング画像配信
メールマガジン配信
アラビア語定期刊行物データベース
 
 

■ASCOM:http://ascom.asafas.kyoto-u.ac.jp/

ネットワーク部会では、現在設立を準備中の「統合情報化センター」の活動の中核となるべき、情報交流のためのグループウエアを立ち上げています。(グループウエアとは、Webのホームページを通じて、情報の共有をおこなう仕組みのことです。)サーバ名は「ASCOM」ですが、これはArea Studies COMmunityの略です。

ASCOMには様々な機能がありますがその主なものを紹介します。

  • 電子掲示板/会議室: それぞれのグループごとにディスカッション、情報蓄積ができる
  • ファイル管理: Word文書ファイル、画像ファイル等を蓄積、共有する
  • スケジュール管理: 個人およびグループのスケジュールを表示
  • 施設予約: ゼミ室、会議室などの予約を管理
  • Webメール: Webブラウザがあるところならどこでもメールの読み書きが可能となる
  • ToDoリスト: やらなければならない仕事のリストを、重要度別に管理
  • 検索機能: グループウエア上に蓄積されたデータを横断して検索
    (使用説明書は http://ascom.asafas.kyoto-u.ac.jp/ascom_help.pdf にあります。)

グループウエアでは、利用者はひとつまたは複数の「グループ」に所属することになります。グループ内で共有されている情報はグループに入ってない人には見えないので、ひとつのシステムを複数の研究グループ、複数の目的のために運用していくことが可能になります。

ASCOMは定評のあるグループウエア「サイボウズ」の英語版です。なぜ英語版を導入したかというと、21世紀COEプログラムの研究活動においては、海外での使用、および英語話者の使用が多く、日本語版では英語OSでの表示ができないからです。(ただし日本語話者は、表示を日本語に切り替えて使うことができるし、書き込み等も日本語で問題なくおこなえます。)

システムの導入後、専攻内の事務連絡、講義の連絡、研究グループ内の画像ファイルの共有等に使われはじめており、今後このシステムをベースとして、国際的な研究のコラボレーションが推進されることが期待されます。

     
 

■Human Ecology Files

ハワイEast-West Centerで収集・蓄積されたHuman Ecology(人間生態学)に関するファイル(5600ファイル)が、Terry Rambo教授(当時East-West Center教授、元東南アジア研究センター教授)の計らいもあり、2000年、東南アジア研究所に移管されました。このファイルは学会の要旨集や紀要、各種報告書、雑誌の切抜きなど、これまで研究資料として保存と整理が十分に行われてこなかった媒体の中から、広く世界のHuman Ecologyに関する記事を抜き出してひとつひとつフォルダーに入れ、筆者名や報告年、内容キーワードなどの書誌情報をカード化して検索可能な状態で保存していたものでした。その後、Agro-forestry file(1600ファイル)、Watershed file(1200ファイル)が加わり、現在、合計8400ファイルが東南アジア研究所の地図室に保管されています。これを総称してHuman Ecology Files(HEF)と呼んでいます。

HEFの移管を受け東南アジア研究所では、2001年、HEFをデータベース化し、カードからではなくホームページ上から書誌情報を検索できるようなシステム作りに着手しました。以後、21世紀COEプログラムを含めてさまざまな助成を受けつつ、ファイルの整理や書誌情報の入力、検索システムの開発、ファイル閲覧環境の整備を進めてきました。その成果は、2005年度公開予定です。

 
 

■東南アジア地形情報データベース:http://aris.cseas.kyoto-u.ac.jp/mapserver/

東南アジア地形情報データベースには、東南アジア大陸部をカバーする、さまざまな地図のコレクションが集積されています。そのなかには、イギリス植民地時代に作られたミャンマーの地形図のような、希少なものも含まれています。

データベースの構築には、そのデータがどのような性質のものであるかということ(メタデータ)を示す必要がありますが、このデータベースでは、Dublin Coreと呼ばれるメタデータの標準的な記法が用いられています。またデータベース自体は、PostgreSQL/PostGISや、Minnesota Mapserverといったオープンソースのソフトによって構築されています。

大学等で学術研究を行っている人は、無料でこのデータベースを使うことができます。
使い方の詳しい説明は http://130.54.102.244/mapserver/help.html を参照してください。

 
 

■AFLORA:http://130.54.103.36/aflora.nsf

アフリカ地域に関してこれまで集められてきた植物利用のデータをデータベース化し、誰でも・どこからでも検索できるようにしたWebデータベースシステムです。ベースとなるシステム(Lotus Notes)が古くなってきたので、新しいフリーな環境(PostgreSQL+PHP)上でシステムを再構築する作業をおこなっています。

 
 

■ウェブアーカイブ

2004年度より、専用のWindowsXPマシンを用いてウェブページの自動巡回・情報蓄積を非公開(外部の方に閲覧を許可しない、原則的にデータの複製を行わない)で行っています。これは、地域研究に関連する時事的な公開情報が、それぞれのサイトの更新によって非公開化・消失する事を「もったいない」と考え行っている事業です。巡回はフリーのウェブ巡回ツール"PD192"を用い、データ整理用の簡単なバッチファイルの動作と供に、WinndowsXPのタスク機能によって週一回定期的に行われています。巡回頻度は開始当初から2004年7月までは毎日でしたが、その後各サイトの更新頻度などを鑑みて週一回に変更し、現在に至っています。また2005年4月時点で蓄積されたデータ量は、蓄積用ハードディスク230GB(ミラーリングを行い、総容量460GBの半分である230GBが実質容量)中65.2GBが使用される程度となっています。

巡回サイトは、21COEプログラムに関連する全員からアンケートを募り、先方ページの内容に巡回プログラムの対応を超える機能が含まれるものを除いたサイトを選択しています。現在は、私達が公開している21世紀COEホームページ等を含む、13サイトが対象となっています。今後、現状のハードウェアのままで3年程度の蓄積が可能と考えられます。また、容量が足りなくなった場合は、HDカートリッジの交換を行うだけで引き続き収集が可能となる体制をとっています。現状では、一部収集されないページがあるなどの問題も含んでいますが、今後も改善をはかり、より長期の収集や収集対象の拡大についても意欲的に取り組んで行きたいと考えています。

 
 

■地域研究画像データベース

21世紀COEプログラムにより派遣された教員、学生の臨場感のあるフィールド研究の写真とその解説を収集・公開し、アジア・アフリカ地域の理解を深める目的で、このデータベースの作成に着手しました。地図上の点をクリックすると、写真とその解説が画面上に表われるシステムを順次公開しています http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/pdb)。 将来的には、インターネットマップサーバ(次項参照)をもちいて背景の地図も植生図、人口密度図などの各種主題図を参照しながら、画像検索できるシステムに移行する計画です。

未だ試行段階ですが、URL(http://data.africa.kyoto-u.ac.jp/website/※公開準備中)に、(1)所蔵地図検索システム(ClickableMap, 図1)と、(2)写真検索システム(PhotoPoint_HTML, 図2)のプロトタイプを掲載しました。(1)によって、研究科で所蔵している地形図を地図上で検索し、地図情報を得ることができます。現在、東アフリカの3カ国のみ入力が終了していますが、今後他地域の入力をすすめていきます。なお、この閲覧にはJavaビュワーが必要です。(2)は、写真検索システムですが、各種地図情報がレイヤとして管理されていて(この場合、植生図、地形図、国境線、写真位置情報)それぞれの情報を地図から、また記載情報の双方から検索することができます。図3の例は、アフリカの植生図をバックに写真を検索したものです。
図1. 所蔵地図検索システム 図2. 写真検索システム

 
 

■タイ語三印法典プロジェクト:http://thaidtp.cseas.kyoto-u.ac.jp/

タイ語三印法典プロジェクトでは、平成17年5月末にタイ語『三印法典』(Kotmai Tra Sam Duang)データベースを公開する予定で準備を進めています。本法典は、タイ国における1350-1805年の455年間に制定・公布された法令・布告で、現ラタナコーシン王朝ラーマ一世によって1805年に編纂された、アユタヤ時代からのすべての社会・経済活動を網羅したタイ最古の成文法典です。京都大学東南アジア研究所では、この『三印法典』タマサート大学5冊本の計算機総辞用例索引『Computer Concordance of The Law of Three Seals』(5分冊, 3850頁, 239,576用例, タイ国Amarin Publications)を出版していますが、すでに絶版となり入手不可能ことから、本研究では主導的立場にある本研究所にインターネットによる公開が国際的にも強く求められてきました。同様なデータベースは世界に存在しません。本データベースは、全文テキスト及びこれとリンクされた原本(一次資料)画像データベースを構築し、デジタルアーカイブとして保存すると共に、Webベースで広く国内外に公開することを目的としています。また、本データベースは、タイ語による検索、結果表示を可能にし、解題はタイ語、英語、日本語で記述する本格的な多言語対応となります。

本資料は、中世から近世に至るタイ国の政治権力と仏教の関係や社会生活、経済活動の研究、古代インド法典(紀元前2世紀から紀元2世紀)の影響、ヒンズー教や仏教伝播の研究に不可欠とされる史料です。また、サンスクリット語やパーリー語による記述が含まれ、言語研究にも重要な資料であることから、国際的にも第一級の史料と位置づけられています。本データベース化は、タイ国における社会・経済史のみならず、東洋史、東南アジア史の研究に極めて重要な意義を持つと同時に、貴重な情報資源を国内外に公開するもので、学術的価値の高いものです。

 
 

■ストリーミング画像配信

21世紀COEプログラムでは、地域研究に関して蓄積された様々な情報をデジタル化して発信することに力を注いでいます。画像情報に関してはこれまでにも、スライド写真のデジタル化、派遣研究者からの写真提供などの作業を進めてきましたが、このたび、ビデオカメラで撮影された動画を保存し、インターネットに向けてストリーミング画像の形で配信するシステムを構築することになりました。すでに動画配信用ソフトの購入、動画ファイルの蓄積等の作業をはじめており、今年度中に21世紀COEプログラムホームページからの動画配信を開始する予定です。

 
 

■映像資料デジタル化(PhotoCD)

これまで個人単位で所蔵されてきた、貴重なスライドフィルムを、PhotoCD化して保存する作業を行っています。これまで数千枚のフィルムがPhotoCD化されています。

 
 

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