2003年
12月号

  いよいよ2003年も残り少なくなりました。今年最後の本部執行会議は12月18日に開催されました。今月の重要検討課題は予算に尽きます。COEの予算は四半期ごとに入金されますが、第3四半期末、つまり今年末までの振込み額を年末までに使い切らない場合、残額はCOEリーダーの所得とみなされ、所得税がかけられるという「物騒」な話もあり、今年度予算の執行状況が気に掛かります。予算執行は基本的には順調なのですが、学生のフィールドワーク派遣や外国からの書籍購入はかならずしも計画通りに進まないことがあり、これまでの予算が年末までにすべて支出されるというわけにはいきそうもありません。リーダーへの妙なお年玉がないことを祈るばかりです。

  事務局預かり予算の使途も、この会議で検討されました。これは当初予定していた人件費の一部が大学側の手当により不要になったことなどにより浮いたもので、500万円以上になります。事務局案が提出され、議論のすえ原案どおりに承認されました。主たる用途は、東南アジア研究センター所蔵図書に関する書誌情報のデジタル化促進(遡及入力)、エチオピア・ワークショップの発表論文の英文校閲、そして日本語版とともにホームページの英語版をさらに充実させるために、英文原稿の校閲や一部原稿の英訳のための費用です。執行会議のメンバーは、それぞれの担当部門や部会の利害代表であるわけですが、今回のような話題がでたとき、プログラム全体にとっての必要性を優先的に考えてくれるのは、当たり前といえば当たり前なのですが、事務局としてはありがたい限りです。

  来年度の予算編成も会議の話題となりました。12月10日に、京大の22人のCOE拠点リーダーの会合である「21世紀COE拠点リーダー意見交換会」が大学の事務局棟でありました。この席で、平成16年度の交付内定はおそらく来年2月の上旬になりそうだとの見通しが示されたとのこと。内定後は短期間で予算案を提出する必要がありますので、今から案を練っておかなければ間に合いません。ということで、この件についても事務局がいくつかの大枠案を用意しました。来年度の申請額は1億5000万円、とりあえず本年度と同じく30%の減額があったとして、1億円の予算案を想定しようというものです。本年度の交付予算より2000万円少ない予算案をつくるわけで、事業計画を圧縮するのになにかと困難が予想されます。統合情報化部門、フィールド・ステーション部門、事務局ごとの配分大枠をめぐる3つの案が事務局から提示され、そのうちのひとつが会議において承認されました。今後は各部門ごとに自分たちの予算を作り、交付内定があった段階で、さらに全体的な調節をしていくことになります。

  上記拠点リーダー意見交換会では、COEプログラムに関する中間評価も話題になったということです。京大の一部の拠点プログラムにたいしては10月末から11月中旬にかけて文科省や学振から視察があった、中間評価の前にプログラムの推進状況にかんするアンケートがあるだろう、ヒアリングはこのアンケートに基づいて行われる可能性が高い、といったことが意見交換会では報告されたということです。わたしたちのプログラムでは、先月の会議で中間報告書の作成WGを立ち上げましたので、このWGを中心に中間評価についても対応していくことになります。

  来年度開催予定の国内研究集会についても、WGから報告がありました。10月末ころに東京で2日半の予定で開催、20〜25人の院生の発表、院生はASAFAS内外から公募、公募開始は5月末ころ、ポスター発表やブース形式によるFSでの臨地教育の紹介も含める、10人ほどの外部の研究者等をコメンテーターのような形で招待する、冠タイトルは「大学院生〈フィールドの現場から〉ワークショップ」とし、別に総合タイトルを設ける、といった内容でした。費用や共催上の困難など、東京開催をめぐる実現性や長所短所について意見が交わされ、公募時期の前倒しを含めて、WGでさらに検討することになりました。

  これから年度末までの大きな動きとしては、ASAFAS、CSEAS、アフリカ地域研究資料センター(CAAS)による学内措置としての地域研究統合情報化センターの立ち上げがあります。これは京都大学におけるアジア・アフリカ地域研究にかんする情報の蓄積・加工・発信を中心的な役目とする組織で、CAASを改組する形で来年4月に設置することを目指しますが、それまでにどのようなステップが取られるかが、執行会議で報告されました。わたしたちのプログラムの目的のひとつは、この新センターの機能を充実化させることで、上記の東南アジア研究センター所蔵図書に関する書誌情報のデジタル化促進への予算措置も、この目的の一環と位置づけられます。

  というわけで、年が変わっても忙しさに変わりはなさそうです。年末・年始の休暇には心身をゆっくり休め、また、風邪をひかないように気をつけたいものです。プログラム参加者のみなさん、このホームページの愛読者のみなさん、来年もよろしくお願いします。(文責=加藤)

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