2004年
1月号

  新しい年を迎えての最初の執行会議が1月15日に開催されました。年の初めということもあり、わたしたちのプログラムについての思いを新たにする意味を込めて、このプログラムの推進・執行体制について少しお話したいと思います。今月と来月の2度にわけて、お話しすることになります。

  プログラムには、リーダーを含め26人の推進担当者がかかわり、そのほかに20人の研究協力者が関係しています。これらの人たちはすべて、大学院アジア・アフリカ地域研究研究科と東南アジア研究センターの教員です。地域研究の大学院教育がプログラムの主要目的のひとつですから、わたしたち研究科の150人以上の大学院生もプログラムの重要なパートナーです。このほかには、予算の都合上数が限られていますが、若干のCOE研究員と、事務、ホームページの運営・管理、図書資料整理などの仕事に携わる事務補佐の人たちが6人います。強力な「縁の下の力持ち」です。さらに、部局の事務もプログラムをバックアップしてくれています。予算面でいえば、平成14年度が1億800万円、平成15年度は1億2000万円の交付を受けました。5年間のプログラムですから、終了時の平成18年度までには6億円以上の予算を使うことになるでしょう。

  これだけの人数と予算を注ぎ込むプログラムですから、これを計画どおり推進し、初期の目的を達成することは、リーダーをはじめとするプログラム担当者の重大な責任ということになります。そして、この責任を中心的に担うのが月例の本部執行会議であり、年に一度の拡大執行会議です。これらの会議の決定に基づき、日常業務を遂行するのは事務局本部です。執行体制の全体的な姿は、ホームページの「役割分担」に示されています。
  次回には、執行会議の構成や運営などについて、より具体的にお話しすることにします。

  さて、1月14日に開催された2004年最初の執行会議です。いつもの予算にかかわる話題等のほかに、16年度予算の交付内定に向けて「調書」をすでに作成して提出したこと、さらにプログラムの中間評価用の書類が学振から届き、週内に大学本部に提出するために事務局を中心に作成中であることが報告され、了承されました。この種の書類にはできるだけ多くの情報を盛り込もうとしますから、どうしても小さな文字フォントを使うことになり、老眼にはなかなか過酷な作業です。

  1月9日に学振から2名のスタッフがプログラムの視察に訪れたことも報告されました。リーダーを中心に4名で応対し、液晶プロジェクターでホームページを直接スクリーンに映し 、プログラムの概要と活動状況を説明したとのことです。わたしたちのホームページの素晴らしさをあらためて実感したというのが、リーダーの自画自賛を自認する感想だったそうです。じつは、これはかならずしも自画自賛ではなく、電子メディアの学術利用をテーマにしたメールマガジンを編集・発行している方から、次のようなコメントがプログラムに寄せられています。ご本人には無断転載ですが、ご容赦ください。

  「21世紀COEのサイトが次々と公開されていますが、・・・・そのなかにあって、貴プロジェクトは稀有な存在と思われ、今後に大変期待しております。私の発行するメールマガジンでも近日中に紹介させていただきます。・・・・期待と敬意を込めて。」
なんとも嬉しいコメントです。なお、広報部会からの報告に、ホームページのフィールド・ステーション案内に地図を載せ、地図からアジア・アフリカの14のステーションにアクセスできるようにした、というのがありました。デジタルの利点を生かした好企画で、まだ見ていない人は是非試して頂きたいと思います。

  平成16年度の交付内定は早くて2月中旬のようですが、当然プログラム内での来年度の予算編成は進行中です。来年度の新しい計画のひとつとして、研究成果等推進部会にはこれまで国内での研究集会用の旅費予算が計上されていましたが、来年度は国外での研究集会用の予算も計上することが提案され、承認されました。

  わたしたちの事務局には、他の21世紀COEプログラムからたくさんの送付物があります。多くがプログラム発行のニューズレター等の冊子や、国内で開催される国際会議の案内ないしポスターです。それにたいして、わたしたちのプログラムからは、およそこうしたものが発送されることはありません。情報発信は即時性のあるウェブサイトを中心にすることにしていますので、紙媒体による広報はしていないのです。国際研究集会はどうかというと、日本で行なうよりは、フィールドワークの現場近くで開催することを重視しているため、国内で開催されたものは、これまで小規模のものひとつにとどまっています。従来は各FSにおいて必要に応じてワークショップ用に予算が計上されていましたが、これとは別に国外での研究集会用の「どんぶり予算」を計上することは、プログラムのこうした哲学に則ったものといえます。他プログラムから送付される、美しく印刷された冊子やポスターを見るたびに、いささかタジタジとしますが、ここは自信をもって「わが道」を行きます。

  来年度予算との関係では、平成16年度FS学生派遣募集が3月末に始まることも報告されました。去年はSARSのため、南中国やベトナムでフィールドワークを行なっている学生、香港経由で東南アジアに出かけた学生の状況についてずいぶんと心配しました。今年は、そうしたことのないよう、そして学生が調査研究に専念できるよう願いたいものです。(文責=加藤)

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