2004年
12月号

  暖かい日が続きます。街中に出なければジングルベルを聞くこともなく、すでに12月だと気がつかないほどです。

  さて、今月の執行会議は、定例より一週間ほど早く 8日に開かれました。まずは予期せぬプレゼントの報告からです。12月の報告事項で最も重要なもののひとつは、5月に行なわれた中間評価の結果についてでした。中間評価のヒアリングの感触として、これまでは比較的楽観的な報告がされてきましたが、11月末に京都大学に通知された結果は、かならずしも万々歳の内容ではありませんでした。4 段階評価のうちの2番目で、総合評価は「当初目的を達成するには、一層の努力が必要と判断される」というものです。平成14年度に21世紀COE に採択された113プログラムのうち、「優」は41件、われわれと同じ「良」は60件、「可」は10件、「不可」は2件、という分布です。地域研究関係のプログラム5件についていえば、「優」が1、「良」が2 、「可」が2でした。

  評価書においてわれわれのプログラムに改善を求められた点には、「文理融合」「地域間比較」「 フィールド・ステーション(FS) を活用した地域研究の方法論の確立」「若手の育成」を、より具体的、明示的に示すことがあります。残り2年間のプログラムは、これらの点に留意しつつ推進していくことになります。執行会議では、これまでのやり方を大きく軌道修正する必要はないだろうとしながらも、評価書において指摘された点にどのように応えていくかについて活発な議論がなされました。この2年半は、どちらかというと大学院生のフィールドワーク支援とホームページの充実化を重視してきましたので、これからは研究成果のまとめを上記4点に沿って提示していくことが求められるといってよいでしょう。

  来年度の国際シンポについて、ワーキング・グループ(WG)の座長からあらためて報告がありました。シンポの性格は、大学本部の予算によって賄われることから、「京都大学国際シンポ」となること、しかし、一部21世紀COEによる予算補填を予定していることでもあり、なんらかの形でCOEプログラムの業績にもなるように検討する、などが報告されました。今後、2週間ほどの間にWGを開催する予定だということです。

  事務局からは、今年度の予算執行状況が報告されました。年内分の予算については、年内中に物品の発注はするようにと、事務局から依頼がなされました。朗報は、先月伝えられた大学院生ワークショップの赤字が現実には不要だと判明したことです。

  今月の中心的議題は、来年度の予算作りです。例によって来年度の内定額がいくらになるかわからない中で、予算の枠組作りをしなければなりません。当然のことながら、これについてはいろいろな議論が出ましたが、最終的には、申請予算1億6,400万円の約70% 、1億1,000万円を内定額と想定し、FS部門、統合情報化部門、事務局別の今年度当初予算配分比を大枠として、来月の執行会議までにそれぞれの部門で予算を作ってくることで合意しました。この予算作成にあたっても、中間評価のコメントにどのように対応するかを考えながら行なって欲しい旨、リーダーから希望が伝えられました。

  成果等推進部会からは、今年度末にミャンマーとラオスで開催予定の研究会を予算的に支援したいとの提案がなされ、承認されました。これについては、アジアとアフリカの間の地域間比較の芽を育てるためにも、アフリカ地域研究の院生、場合によっては南・西アジア研究の院生による研究会への参加を支援することが議論され、予算の許す限り支援することも承認されました。これについては、両研究会のプログラムの概要がわかり次第、成果等推進部会から院生に公募のニュースを流すことになります。

  1年の締めくくりに中間評価「良」のプレゼントはいささか残念な結果ですが、来年からは新規蒔き直し、プログラムがより充実した内容になるよう頑張りましょう。(文責=加藤)

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